東京並みの混雑振りを見せたスト中の駅構内
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今回のストでは、50万人と言われる政府職員の特別年金が焦点に。今までは37.5年だった年金納入期間を他の一般企業と同じ40年にするという今回の改革に、公共交通機関や電気・ガス関連の労働組合は大反対。10月に行われた小規模なストに続き、11月には9日間にわたってストが実施され、さらに交渉次第では12月にも再開される可能性があるという。
政府は「社会的公正の観点から」年金改革を推し進めようとしているが、鉄道員たちは、第二次世界大戦後から存在する特別年金制度を守ろうと必死だ。確かに、不規則な時間割で働かざるを得ない鉄道員の労働条件は厳しいし、彼らの平均寿命がフランス人の平均寿命と比べて短いことなどを考えると、ストを起こしたくなる気持ちも分からなくはない。
とはいっても通勤や通学、また大事なヴァカンスのために交通機関を利用する乗客にとって今回の一連のストは頭の痛い問題。当然、世論調査の結果もストが長引くにつれて政府支持に傾くが、交渉はそんな簡単に終わるようなものではないようだ。
そんななか、パリ郊外で人材派遣会社を営むある社長は、10月のスト中に人員不足で四苦八苦した経験を踏まえ、11月のストでは何が起ころうとも営業に支障が出ないよう、驚きの解決策を編み出した。1週間ミニバスをチャーターして、パリ郊外各地に住む派遣員をピックアップ。初めの社員を朝5時に拾い、合計30名の通勤を助けたというからスゴイ。2004年に会社を立ち上げたばかりでやる気に満ち満ちている社長にとって、早朝からドライバーとして働くことなんてまさに朝飯前。「この方法はWin-Winシステム。従業員は給料を満額受け取れるし、私は売り上げを保つことができる。それに何より、我が社のイメージを下げなくてすみますからね」と意気揚々だ。
それにしても、ストにかまけて朝寝坊を決め込む不謹慎な輩もいるなか、早くは朝の5時から通勤しなければならない社員たちの心中は複雑かも!?
「Parisien」紙 "Un patron affrete un minibus pour ses salaries Laure Parny"