ニセモノ博物館 / Museum Plagiarius
グッチやシャネルなど高級ブランド品だけではなく、文具やおもちゃなどもっと身近な日用品のニセモノ製品とその弊害に目を向けてもらおうと、今年4月にゾーリンゲンにオープンしたばかりのミュージアム。ニセモノと本物を並べて対比させた展示方法は世界でも初めてのユニークな試みだ。(常に左に本物、右にニセモノが配置されている)
展示されているのは、メーカーが世界の市場で見つけた自社の海賊版コピー製品で、年に1回開かれるコンテストでその真似ぶり、大胆さなどが評価された「選りすぐりの」ものばかり。
商品についている社名がSHARPではなくSHAAPになっていたり、と思わず笑えたりもし、防水加工のないカバンなどを見ても「これくらいなら自分もニセモノを買うかも」なんて不埒な考えが頭をよぎるが、チェーンソーで本来ならばしっかりついているはずの事故防止用のレバーが、いとも簡単に折れてしまった惨状を目にすると笑ってもいられない。 欧州連合(EU)の統計によると、ニセモノ商品による被害は年間2500億ユーロに上るという。また一般的にはバッタもんというと、中国や東南アジアで作られているというイメージがあるが、実際は西欧諸国で作られているのもかなりの部分を占めている。
250点が展示されている
事故防止レバーが無残に折れたコピー商品
「研究と開発にコストと時間をかけ、1つの商品を作り出してもコピー商品によって売上げは激減、あげくの果てにはブランドのイメージまでもが失墜し、ひいてはその会社の従業員の雇用にまで影響を及ぼす怖さをこのミュージアムを通じて知ってもらいたい」とこのミュージアムの学芸員、ラクロワさん。
巷では「Geiz ist geil!」(ケチなことは素晴らしい!)というムードが一杯。また広告は、お買い得商品のアピールで溢れ返っているが、1人1人のちょっとした消費行動がもたらす影響は実は大きいのだ。展示を見た後は、身の周りを一度見渡してニセモノ商品がないかチェックしてみてはどうだろうか。
コピー防止を呼びかけるマスコットと1977年に見つけられた
ニセモノ第一号の郵便計量秤
Museum Plagiarius Solingen | |
開館時間 | 10~17時 |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 大人2ユーロ(割引1ユーロ) |
最寄駅 | Solingen Gruenewaldより徒歩3分 |
住所 | Bahnhofstr.11 42651 Solingen |
TEL | 0212-2210731 |
WEB | http://www.plagiarius.com |