2011年の独日交流150周年を記念して日本で始まったドイツフェスティバル。その会場に、忙しく飛び回る1人の女性がいました。名前は森本智子さん。今回は、ドイツ食品普及協会の会長であり、日本人初のドイツDoemens醸造アカデミー認定のビアソムリエとして日本にビール文化を広めるべく奔走する森本さんにインタビューしました。
六本木のクリスマスマーケットにて。
森本さんは独日の懸け橋として、イベントでも活躍されている
早速ですが、ドイツとドイツの食品を好きになったきっかけを教えてください。
米国の大学に留学していた頃、英語以外の外国語も勉強したいと思うようになり、そのとき読んでいた本やペンパルの影響でドイツに留学しました。その後11年間、同国で暮らしたのですが、当時はドイツの食品やビールに格別な思い入れはありませんでした。帰国後、語学力を生かそうと『ドイツ農産物振興会』の日本事務所で働き始め、日独を行き来して生産の現場を知るうちに、その魅力に気付き、ドイツの食品とビールのファンになりました。しかし、ドイツ農産物振興会のドイツ本部が解散となり、2009年に日本の事務所も閉鎖されてしまったんです。
農産物普及振興会の解散後もドイツの食に携わろうと思われたのはなぜですか?
それまでに培った知識や人との関係が途絶えてしまうのがとても残念でしたし、何より大好きなドイツの食品や食文化をもっと日本人に知ってもらいたいと思ったからです。そこで、自ら『ドイツ食品普及協会』を立ち上げることにしました。振興会の事務所閉鎖までの準備期間、女性のための起業セミナーなどに通い、経営のノウハウを学びました。苦労も多かったですが、振興会時代に知り合った輸入業者の方や生産者の方に助けられてネットワークを築くことができました。
ドイツ食品普及協会ではどのような活動をされていますか?
小売店や輸入商社を支援したり、ドイツの食品に関わる人たちのネットワーク作りをしています。一般の人々にドイツの料理やビール、食文化について知ってもらうためのイベント紹介やコーディネートも大切な仕事です。
最後に、ジャパンビアソムリエ協会とビアソムリエについて教えてください。
ジャパンビアソムリエ協会は2011年12月、世界のビール文化の普及と人材育成を目的に立ち上げました。ビールの魅力や楽しさを伝えるための各種情報の提供やイベント、セミナーを行っています。ビアソムリエはドイツ大使館の後援で、当協会が行う日本で唯一のビアソムリエ認定資格です。ドイツのビアソムリエ講習を元に、日本独自のカリキュラムを組んでいます。2日間で世界のビールスタイルやビールのマナーや料理との相性などを学び、試験に合格すればビアソムリエになれます。ビール関係のお仕事に携わる方だけでなく、ビールをもっと楽しく飲みたいという愛好家にもお勧めですよ。
これからもドイツの美味しい料理とビールを日本に伝えていってください。ありがとうございました!
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