ジャパンダイジェスト

スタバで乾杯!

世界60の国と地域で1万8000以上の店舗を展開するコーヒーチェーン店、スターバックスコーヒー(以下、スタバ)。ドイツでも至るところで看板を目にしますよね。「Third Place(家庭でも職場でもない第3の空間)」がコンセプトのスタバは、ゆったりとしたソファーや落ち着いた照明でリラックスでき、つい長居したくなります。そんなスタバでゆっくりとビールが飲めたら……。実は、そんなスタバを愛するビール飲みの夢が叶う日もそう遠くはないのです。

2010年から、米国ワシントン州シアトルのスタバ26店舗にて、ビールとワインの販売が試験的に行われていました。「スターバックス・イブニング」と呼ばれるこのサービスでは、午後4時からアルコール販売を開始し、数種類のボトルビールやグラスワインに加え、充実したおつまみ類も提供。これにより客1人当たりの単価が上がり、夕方以降も売り上げの伸長が見込まれることが証明されました。一般的に、コーヒーは1杯飲むと満足しますが、アルコールを飲む人は何杯もお代わりし、おつまみも注文しますから、スタバでのアルコール販売は大成功を収めました。この結果を受け、数年以内にこの事業を数千店舗に拡大する計画が2014年3月に発表されたのです。夕方以降も人が集い、くつろぐことができる場所作りは、スタバのThird Placeのコンセプトから考えれば自然な流れかもしれません。

今までになかったカフェスタイル
YOGA教室やコーヒー、ビール講座も開催。今までになかったカフェスタイル

早速、日本でも昨年から3つの店舗でビールが飲めるようになりました。アルコールが注文できるのは昼12時以降。数種類のワインと2種類のビールが用意されています。2種類のビールのうち1つは、北ドイツの町ブレーメンのベックス(Beck's)醸造所のピルスナー。ホップの爽やかな味わいは、昼飲みにも仕事終わりの1杯にも最適です。もう1つは米国レッドフック(REDHOOK)醸造所のエクストラ・スペシャル・ビター。こちらは米国で地ビールブームを引き起こした醸造所の1つで、創業者の1人バウカー氏はスタバの共同創業者でもあります。こちらは華やかな香りと苦味が特徴です。食べ物はパニーニなどの軽食から、オリーブやプレッツェルといったおつまみが揃い、カフェならではのおしゃれなメニューとビールのマリアージュが楽しめます。

日本では「Inspired by STARBUCKS」という店舗名で、「Your Neighborhood and Coffee(あなたのご近所とコーヒー)」という新しいコンセプトを打ち出し、これまでスタバが積極的に出店してこなかった住宅地で、気軽に立ち寄ることができる空間を提供しています。ナチュラルなトーンで統一された落ち着いた雰囲気の店内は、ランチや仕事をしながらの1杯、また、夜のゆったりとした読書タイムにも適しており、ふらりと寄ってちょい飲みしたいときにも便利。

欧州や日本の一部のファストフード店では、ビール販売が始まっています。今後はあなたの住む街にもできるかもしれませんね。

 
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