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Di. 19. Jun. 2018

ドイツ歯科事情

ドイツの歯科治療の話になると、「すぐに歯を抜こうとするから行きたくない」「ドイツ人の大きな手で歯を治療されるのは嫌だ」「全身麻酔をすることもあるから怖い」と、事実かどうかは別として、ネガティブなイメージが先行しがちです。しかし、日独どちらも世界に誇る先進国。医療の基本は同じはずなのに、なぜこんなにも認識に差があるのでしょう。当コラムでは、実際の日本とドイツの歯科治療の違いや、国民性や社会的背景も踏まえてお伝えいたします。

歯科医師 宮川順充
1971年札幌生まれ。95年歯科医師資格、2003~07年オーストリア・ドナウ大学院大学の講師およびルドルフィナーハウス病院内歯科医院(ウィーン)勤務。08年歯科医療技術インスティテュート IDEA(カリフォルニア)顎機能矯正学部門講師。09~13年ランドハウス歯科医院勤務。14年より同院の経営パートナー。 www.landhausstrasse.com

歯科矯正ってなに!? 2(成長期の矯正治療)

前回は歯科矯正治療は決して特別なことをしているのではなく、あくまでも「誰もが持っている歯や顎が移動する生体反応を利用する治療」であることなど、基本的な情報をお伝えしました。しかし歯や顎の組織の状態や反応は大人と子供では大きく違うため、治療器具の種類や治療方針もまったく異なり、それが患者さんの混乱や誤解を招く原因にもなっています。そこで今回のコラムでは、子供(成長期)の治療について、また次回は大人の矯正治療についてお伝えします。

子供の矯正治療について最も多い質問は、「いつから治療を始めたら良いのか?」というものです。子供の矯正治療と一口にいっても、不正咬合(咬み合わせの不正)にはさまざまな種類があり、その不正咬合によってアプローチの仕方や治療開始の適齢期が異なります。一般的に乳歯は生後3カ月くらいから生え始め、2歳半~3歳にはすべての乳歯が生え揃います。しかしまだ乳歯だけの年齢(乳歯列期)では、歯の大きさは小さく顎骨も未発達なため、この時点では明確に不正咬合と確認できるケースはそれほど多くありません。また明らかに不正咬合だったとしても、顎の検査や矯正装置を作るための歯型取りなどの作業は、まだ幼児期では難しいというのが現実です。


 レントゲン撮影の様子
顎を広げる装置(拡大床装置)

そこで、歯医者さんに歯並びについて相談するの最初のタイミングは、「上下の前歯が4本ずつ生え揃った時(混合歯列期前期)」がベスト。永久歯が生え始めるのは小学校に入学する6歳前後で、上下の前歯4本が生え変わり、6 歳臼歯と呼ばれる大臼歯が乳歯の奥に出てきます。永久前歯が生えてくる時期は、顎骨も一緒に成長してくるのですが、この頃になると、少しずつ歯の位置や顎の発達の度合いに個人差が出てきます。

ただ、この時点ではまだ多くの永久歯が骨の中に埋まっている状態で、顎の成長もゆっくりなので、場合によっては矯正歯科で相談しても「まずは様子を見てみましょう」といわれることがあります。


 レントゲン撮影の様子
顎の位置を促進する装置(機能的矯正装置)

そして顎の成長が最も著しいのが、「乳臼歯が抜け変わる時期(混合歯列期後期)」で、乳歯の奥歯が10~12歳にかけて順々に永久歯に生え変わります。この大きな永久歯が次第に生えてくる時に、顎骨も一気に成長するのです。特に下顎が小さいことによって起こる不正咬合の場合は、この年齢に合わせて矯正装置を使用すると、効率的に顎の成長を促すことが可能になります。

成長期における矯正治療は審美のためではなく、子供が持っている顎骨の成長のポテンシャルを促進することによって、自然に歯が並ぶことができる環境作りが目的です。そのため子供の矯正治療では、歯の位置を細かく調整するよりも、顎全体をダイナミックに動かす機構の取り外し式の矯正装置が中心になります。

 
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