感謝を伝えるだけじゃない!?バラエティー豊富な「Danke」
前回のコラム(本誌1132号)では、ドイツ語の最も重要かつ便利な言葉の一つである「Bitte」を取り上げました。今回は、この言葉とセットで使われることが多い「Danke」(ありがとう)をご紹介します。「ありがとう」は世界共通で大切な言葉。ドイツでも、誰かに贈り物をもらったり、何かしてもらったりした時など、その出来事の大小にかかわらず「Danke!」と伝えるのがマナーです。「Danke」にはバリエーションがあり、フォーマル/カジュアル、書き言葉/話し言葉など、場面や相手との関係によって使い分けます。
友人や家族に気軽にお礼を伝える時や、レストランでのお会計の後など、カジュアルなシーンでは「Danke」という一言でもOK。一方、ビジネスシーンでの「ありがとうございます」をはじめ、相手に心からお礼を言いたい時は、「Vielen Dank」や「Danke sehr」などを使うと丁寧な印象に。また「danken」や「sich bedanken」という動詞を使うと、フォーマルかつ優しい感じに聞こえます。何かをお願いしたい時には、形容詞の「dankbar」(ありがたい)を使った「Ich wäre sehr dankbar, wenn……」(……だと、とてもありがたいのですが)という表現も便利です。
また、「Schönen Dank auch」(嫌味を込めた言い方で「ありがとう」)や「Danke für nichts」(不親切な対応などに対して「ありがたくない」)などの表現は、皮肉な意味合いで言われることが多いです。ブラックジョークを言いたくなってしまったら、使ってみてください(笑)。
「Danke」のさまざまな表現
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丁寧な「ありがとう」
• Vielen / Herzlichen Dank.
• Danke sehr / schön / vielmals. -
動詞を使った「ありがとう」
• Ich danke dir für deine Mühe.
(ご尽力ありがとう)
• Ich bedanke mich bei Ihnen für die Einladung.
(ご招待いただき、ありがとうございます) -
頼みごとをする「ありがとう」
• Ich wäre sehr dankbar, wenn Sie mir helfen könnten.
(手伝っていただけると、とてもありがたいのですが……) -
皮肉を込めた「ありがとう」
A: Ich habe deine Bücher vergessen!
(君に借りた本、持ってくるのを忘れちゃった!)
B: Schönen Dank auch.
(……ありがとう)