感情表現のブラッシュアップ! 翻訳できないドイツ語②
本誌1130号では「翻訳できないドイツ語」を取り上げましたが、今回もクイズ形式でご紹介します。ドイツの生活や文化、そしてドイツ人の性格(?)まで垣間見えそうな、翻訳できない言葉の世界をお楽しみください。
コロナ禍で、おうち時間が増えました。自分の家でしか感じられないような快さや温かさ、のんびりとした感情を表すときには「Gemütlichkeit ①」をよく使います。居心地の良いソファや肌触りのいい服など、ステイホーム中に「gemütlich」なものを購入した人も多いのではないでしょうか。また、穏やな人のことも「gemütlich」と表現できます。
一方、家で過ごしてばかりいると、だんだん「Fernweh(遠くへの痛み)②」が募ってきます。コロナ禍以前に、一人で旅行に行ったときに感じた「Heimweh(わが家への痛み)③」が、うそのようですね。
先日、友人の恋の悩みを聞く機会がありました。彼女はあまりにも恋に悩みすぎて、最近お菓子をたくさん食べてしまっていると嘆いています。そのためすっかり「Kummerspeck(悩みの脂肪)④」を蓄えてしまったそうです。そんな話を聞いているうちに、自分の頭の中では想像が膨らんでいきます。友人は恋の相手のつれない態度にイライラし、最終的には彼の顔が「Backpfeifengesicht(ビンタの顔)⑤」に見えてきて……。ご安心ください、全て「Kopf ki no(頭の中の映画館) ⑥」での妄想です。
さて、「翻訳できないドイツ語」の第二弾はいかがでしたでしょうか。右側のリストで、ぜひ答え合わせをしてみてください。
翻訳できないドイツ語②
クイズの答え
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①Gemütlichkeit:
静かで安心できるような、心地いい感情 -
②Fernweh(遠くへの痛み):
どこか遠い場所へ行きたい、旅行したいという憧れ -
③Heimweh(わが家への痛み):
②とは反対に、わが家や故郷を恋しく思う気持ち -
④Kummerspeck(悩みの脂肪):
恋などの悩みによって増えてしまった脂肪 -
⑤Backpfeifengesicht (ビンタの顔):
ビンタしたくなるような、イライラさせる顔や態度 -
⑥Kopfkino(頭の中の映画館)
自分の頭の中で想像する、映画のシナリオのような展開