可能性の高い「たぶん」と可能性の低い「たぶん」
ドイツ語には、日本語の「おそらく、たぶん」に当たる副詞がいくつもあります。使う副詞によって可能性の度合いが大きく変わるため、ぜひ使い分けの練習をしてみてください。
日常会話でよく耳にする「wahrscheinlich」は、100%確かだといえなくても、何かが起こる可能性がある、もしくはすでに起こっていることに対して使います。もし99%確かだという場合は、「höchstwahrscheinlich」を使うことでより確実性を高めた表現にすることができます。「vermutlich」もほぼ同じ意味ですが、一般的にwahrscheinlichほど可能性が高くないときに使われる傾向にあります。
一方で、起こる可能性が低いことに対しては使い分けが少し難しくなります。「wohl」は推測でよく使われる副詞で、感覚的に60~80%くらい確かであるときに使用します。「vielleicht」は50%の確率である、もしくは不確かであるという場合に使う表現です。よく似ている「eventuell / womöglich / möglicherweise」は、何かが起こると信じているが、実際にはそうではないかもしれないことに対して用いられます。
聞き手にとって、これらの確率や推測の表現は分かりづらいことも少なくありません。例えば何か誘いを受けた際に、wahrscheinlichやvielleichtを使って「おそらく行けるよ」と前向きな意味合いで答える人もいれば、「たぶん行けるかもしれない」と間接的に誘いを断る人もいます。個人の感覚によって解釈が変わるため、特に何か約束事をするときはしっかりとコミュニケーションを取ることが大切ですね。
いろいろな「おそらく、たぶん」
• Höchstwahrscheinlich kommt das Paket morgen an.
(おそらく荷物は明日届くだろう)※99%確実
A: Wirst du morgen zum Tanzkurs kommen?
(明日ダンスコースに来る?)
B1: Wahrscheinlich.
(おそらく)※100%ではないが、「はい」に近い
B2: Vermutlich.
(たぶん)※「はい」に近いが、wahrscheinlichより可能性が低い
• Ich werde es wohl (nicht) schaffen.
(おそらくできる/できないだろう)※ほぼ確実
• Vielleicht hat er es einfach vergessen.
(たぶん彼はただ忘れてしまったのだろう)※確率50%、推測
• Eventuell kann ich dich morgen besuchen.
(明日会いに行けるかもしれない)※確率50%