さまざまな意味を持つ「wohl」の使い分け
ドイツ語の「wohl」は日常的によく使われる単語ですが、非ネイティブ話者にとっては少し分かりづらいかもしれません。名詞の「Wohl」は「幸せ、健康、福祉」を意味しますが、形容詞や副詞としての「wohl」にはさまざまな意味があります。それぞれの使い方を見ていきましょう。
一つ目は、体調や気分が良いという意味。「Ich fühle mich wohl」(気分が良い)は、よく使われる表現ですね。単純に「gut」(良い)や「angenehm」(快適)の意味もあり、日本語では「よく、ちゃんと」といったニュアンスになります。「Das muss wohl durchdacht sein」(それはよく考えるべきだよ)がその一例。ちなみにwohlは使う場面や人によって、格調高い印象を与えることもあります。
また、「Es waren wohl 300 Leute da」(そこにはおそらく300人はいた)のように、「おそらく、たぶん」など仮定や推測の意味を表します。類義語として、「vermutlich / anscheinend / ungefähr」を使うことも可能です。
ほかにも、「Du bist wohl verrückt!」(君は本当に狂っているよ!)のように、wohlを入れることで発言の内容を強める使い方も。さらに「aber」(しかし)と組み合わせることで、「Ich habe nicht gelogen, du aber (sehr) wohl」(私はうそをついていない、うそをついているのはあなたでしょ)と、言いたいことを逆説的に強調することもできます。
微妙なニュアンスを表せるwohl。少しずつ会話に取り入れて、よりネイティブに近い表現にチャレンジしてみてくださいね。
「wohl」の主な使い方
体調や気分が良い
• Wohl bekomm’s!
(健康を祈って!)
※乾杯の席などで
よく、十分に
• Er tat es, wohl wissend, dass es falsch war.
(彼はそれが悪いことだと十分分かっていながらやった)
おそらく、たぶん
• Ich werde es wohl nicht zum Konzert schaffen.
(おそらくコンサートには行けないだろう)
• Er hat wohl zu viel zu tun.
(たぶん彼はやることが多すぎるのだろう)
強調するとき
• Das kann man wohl sagen.
(たしかにそれは言えている)
• Ich bin mir dessen (sehr) wohl bewusst, du musst mich nicht belehren.
(そんなの分かっているから、言わなくていいよ)