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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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78ミニジョブについて知っておくべきこと

ドイツには、月収入が450ユーロまでのミニジョブ(Minijob)、1300ユーロまでのミディジョブ(Midijob)と、それ以上の給与額での雇用があります。非正規雇用という形態はなく、ドイツではすべての雇用が正規雇用です。そのため、どの雇用であっても労働法上同等の扱いで、同様の労働時間や休暇、解雇に関する規定が適用されます。ただし、税制上や社会保障費負担などに違いが見られます。

ミニジョブとは

月450ユーロまでの雇用のことです。複数の雇用主の下でのミニジョブが可能ですが、その場合も合計給与を450ユーロ以内に収める必要があります。ミニジョブは非課税の雇用形態なので、確定申告でも収入として申告しません。また、法定健康保険は無料で家族加入を維持できます。

ミニジョブは雇用形態の1つであり、フリーランスや自営業にミニジョブはありません。その場合は450ユーロまでの収入であっても申告が必要です。フリーランスでは月平均445ユーロ(2019年)までは法定健康保険の家族加入が可能ですが、この限度額を超えると、最低でも毎月約180ユーロの保険料をさかのぼって支払うことになります。年間で約2160ユーロかそれ以上の保険料を一度に請求されることがあるので、注意が必要です。

ミニジョブでは社会保障費の任意自己負担3.6%(2019年)、450ユーロの額面では16.20ユーロを積み立てることによって、雇用主が負担している15%(67.50ユーロ)と合わせて自分名義での年金積立が可能な上、加入期間にも加算されます。この自己負担を希望しない場合は、免除申請用紙を提出します。なお、さかのぼっての変更はできません。ミニジョブではそのほかの社会保障費の負担はないので、450ユーロの額面で手取りは433.80ユーロとなります。雇用主には約31%の雇用主負担があり、その総負担は給与も含めて約590ユーロになります。

ミニジョブとリースター補助金!

リースター年金(個人年金の一種)の補助金受給権を得るには、社会保険への加入が条件となります。ミニジョブで社会保障費を自己負担するとこの権利も得られるので、特に子どものいる人にとっては有利です。例えば子ども2人の場合、年間最低60ユーロをリースター年金に積立てることで大人1人175ユーロ、子ども1人300ユーロ(2007年までに生まれた場合は185ユーロ)、合計775ユーロの補助金と合わせて積立が可能。自己負担の10倍以上の補助金が出るので、この制度を利用しない手はありません。受給は受給年齢に達してから毎月年金として、または30%までは一括受給もできます。

ミディジョブ

ミニジョブは非課税で社会保障費の負担もないという大きなメリットがあるのですが、その分それを超えると急に所得税と社会保障費が課せられます。そのため、ミニジョブ以上に稼ぐと負担増でかえって損をしてしまうのです。

そこで少しでもそれを和らげるために、一定額までのミディジョブでは社会保障費負担を軽減する制度があります。社会保障費負担の軽減率は収入額が450ユーロに近いほど高く、反対に1300ユーロに近いほど通常雇用での負担額に近づくように漸次的に変化します。しかし、500ユーロの給与額では手取りは450ユーロ以下となり、5時間余計に働いても手取りは増えないことになってしまいます。

 
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