ジャパンダイジェスト
意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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90コロナ時代の貯蓄方法 ③:ETF積み立て

前2回の記事で、低金利政策により現金貯蓄や元本保証型の貯蓄は利子がほとんど付かずインフレに対してもリスクがあることに加え、変動はあっても長期的な上昇を期待できる株式インデックスのETFへの貯蓄が一般の人の長期的資産運用にとって大切であることを説明しました。「株」と聞くとよく分からないので難しい、投機的・危険といったイメージを持っている方は多いと思います。しかし、今回ご紹介するのは誰もが必要な長期的な老後資金をより確実に形成するための簡単な方法です。

20~30年といった長期スパンでは、いつの時代を切り取っても株式市場全体は十分に上昇しており、今後少なくとも2050年くらいまでは世界人口は増加するため、市場全体の拡大が見込めます。株式市場はもちろん変動するものです。例えば、米国の代表的500社の指数S&P500は2008年のリーマンショックで一度は半分になりましたが、その後2020年までに約5倍になりました。もし1番悪いタイミング(2017年の最高値)で購入していたとしても、現在までに2倍以上になっています。消費者物価はそこまで上がっていないのでインフレを実感しなかったかもしれませんが、ゴールドも約2.8倍になりました。貯蓄方法上は大きなインフレが起きていて現金の価値は相対的に低下しているため、その間に銀行預金していたとすれば大きな機会損失となっているのです。そしてコロナ危機により主要通貨では莫大な金額が市場に投入されていますので、現金資産のインフレは継続しやすい状態になっています。

愚直に積み立てを継続すること

ETF インデックス貯蓄で大切なポイントは、その時の景気に一喜一憂することなく、下がったからといって決して売却せず愚直に毎月積み立てを継続することです。安く買って高く売ればいいだけと思うかもしれませんが、実際にはそれをやるとほとんどの人は損をしてしまいます。下がってくると怖くなって売ってしまい、上がってくると高すぎると思って買えなくなってしまうからです。ETF残高は放置しておき、毎月一定額を買い増していくのが1番。下がっている時はむしろ買い時で、上がっている時は全体も上がるので問題ありません。

ETFの直接購入、または年金保険として

世界株インデックス MSCI WorldやS&P500 ETFなどに貯蓄するには、手数料の低いcomdirect や DKBなどのネットバンクで購入、Sparplanを選択すれば毎月一定額の貯蓄ができます。老後資金であれば、年金保険の中身をETFにして毎月貯蓄することで15~48%もの税金控除ができます。また年金保険の場合は、ネットバンクのようにスマートフォンで数回のタップで売却ができないため、その時の感情で売ってしまうことがないのも逆にメリットとなります。老後資金のための貯蓄であれば、お金が必要だからと安易に引き出しをしない覚悟をすることも大切です。

まとめ

  • 老後資産形成はETFで株式インデックスを積み立てる
  • 株価が下がっても決して売ってはいけない、毎月貯蓄を継続する
  • ETF積み立ては税金控除のできる年金保険がお得

次回はETF貯蓄のできる年金保険の特徴をご説明します。個別の貯蓄・年金保険相談は、メールでお問い合わせください。

 
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