93コロナ関連&2021年の社会保障や税金など
● 時短労働補償金(Kurzarbeitergeld, KUG)
昨年KUGを受給した方は、確定申告が義務付けられます。KUG自体は非課税ですが、Progressionsvorbehaltといって税率を決めるための収入合計額には加算されます。必ずしも追加徴税があるわけではなく、還付があるケースも。また、Elterngeld(両親手当)受給者も同様に確定申告の義務があります。
● コロナ禍でのホームオフィス控除
1日当たり5ユーロ、年間で最大600ユーロの控除ができるようになります(執筆時点では詳細未定)。
● リュルップ年金の所得税控除限度額
法定年金とリュルップ年金を合わせた所得税控除枠は、独身者2万5787ユーロ、既婚者は世帯で5万1574ユーロに。法定年金保険料は労使合わせて最大1万5847.20ユーロなので、独身者で約1万ユーロ、既婚者は約3万5000ユーロ、もしくはそれ以上のリュルップ年金の所得税控除枠があります。臨時収入がある場合や、収入が多い年は税率も上がるため、年末に入金することで節税可能です。
● 法定健康保険の無料家族加入枠
今年の月平均455ユーロから2021年は470ユーロに引き上げられます。月平均というのは税務署に届けている期間内の平均値。例えば4月からフリーランス登録をして仕事を始めた場合は、12月までの収入を9カ月で割った数字です。この枠を超えると、さかのぼって一月当たり約200ユーロの保険料が請求されます。
● 年金保険料と課税率
法定年金・リュルップ年金の所得税控除率は2021年は92%、毎年2%ずつ上昇し2025年以降は100%控除対象となります。その代わり2040年以降に年金受給を開始する人は、これらの年金収入も100%課税されます。
● 連帯付加税「Soli」(Solidalitätzuschlag)の軽減
これまでほとんどの人に課せられていた連帯付加税(所得税の5.5%)は、東ドイツ復興支援金としても使われていました。2021年からは年収6万1717ユーロ未満では課せられません。ただし、キャピタルゲイン税(25%)に対する連帯付加税は継続されます。
● 企業年金
社会保障費の控除枠月284ユーロ(昨年276ユーロ)、所得税の最大控除枠は月568ユーロ(昨年552ユーロ)に拡大します。控除枠を最大限利用したい場合には、積立額の変更が可能です。控除枠に合わせて自動的に毎年積立額が上がるDynamik設定も可能です。
● 所得税の基礎控除枠の引き上げ
昨年9408ユーロの基礎控除は2021年は9696ユーロ、既婚者は世帯で 1万9392ユーロとなり、この金額未満の課税収入額では所得税はかかりません。所得税率は細かく段階的に上がっていき、急に高くなるわけではありませんので、ご安心を。
● その他
・最低賃金:2021年1月から時給9.50ユーロ、7月から9.60ユーロ、Azubiは550ユーロに
・失業手当:Hartz IVは14ユーロ増えて月446ユーロに
・児童手当:15ユーロアップの219ユーロ、3人目が225ユーロ、4人目250ユーロに