101次の車は電気自動車にすべき!

● 補助金・税金のメリット

ドイツでは電気自動車の普及のための補助金がありますが、コロナ不況を受けて経済推進のためにさらに倍の補助金を出すことが、昨年2020年に決まりました。当初は2021年末までの予定でしたが、それが2025年末まで延長されています。

補助金は4万ユーロまでのE-Auto（電気自動車）では9000ユーロ、プラグインハイブリッドでは6750ユーロ、4万ユーロを超えて6万5000ユーロまでの車ではそれぞれ7500ユーロ、5625ユーロとなっています。

プラグインハイブリッドの場合は最低走行可能距離や二酸化炭素（CO2）排出量の基準があるので、補助金の対象となるものかどうかの確認が必要になります。車は一括払いで購入する必要はなく、リース車でも24カ月以上の契約であればフルに補助金を受給可能です。24カ月より短い期間では、その期間に応じて補助金は減額されます。

中古車購入や中古のリースでも 2019年11月4日以降に最初に登録された車で、最初の登録から12カ月以内、走行距離1万5000キロ以内でその車両でまだ補助金申請がなされていない、購入価格が新品価格の80％までである、などの条件を満たせばフルに補助金を受給できます。ただし中古市場では、補助金があるがゆえに通常の相場よりも価格を高く設定している業者もあるので注意が必要です。

電気自動車・ハイブリッドのナンバープレートの末尾にはEの文字が付き、都市によっては充電柱のある場所や、指定の時間内なら無料で駐車できるなどの特権が（期限付きで）あるところも。また、2030年末までに購入した電気自動車は10年間自動車税がかかりません。

また、カンパニーカーとして使用する場合、従来の車では新車価格の1%、つまり4万ユーロの車では、毎月400ユーロの収入があったとみなされ課税されます。これが電気自動車の場合は0.5%、仕事での使用のほうが多い場合は0.25%になるなど、税制上の特典があるほか、勤め先の会社での充電には個人が課税されないというメリットもあります。

● 電気自動車は「買い」なのか?

以上のように、個人として電気自動車を購入する経済的メリットはあります。しかしながら充電に時間がかかる、充電できる場所が増えてきたとはいえまだ限られている、といったデメリットもあります。

フルに充電する時間はバッテリー容量によっても異なりますが、例えば家庭用電源では12時間、駐車場に専用器があれば5時間、街中にある最速のもので2～3時間かかります。自宅や自宅近くで充電ができればいいですが、そうでないとわざわざ時間をかけて充電をしに行かなければなりません。また市街地での短距離走行ならいいのですが、長距離を走る場合は途中で充電のために時間をかけなければならない可能性がある、冬場に暖房でかなり電気を消耗するなどの問題もあります。

その点ハイブリッドであればガソリンで走ることもできるので、補助金は満額受給できませんが、上記のような問題はありません。自分に合ったタイプを選べば、E-Autoやハイブリッドを購入するメリットはすでに十分にあるといえるでしょう。

＊ 補助金申請は車の登録後1年以内に行います。今のところ補助金受給は期間内に受けられる権利ではなく、予算がそこを尽きれば期限前でも受給できなくなるかもしれないので、受給が本当に可能かどうか事前に確認をしたほうがいいでしょう。