ジャパンダイジェスト
意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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ドイツで子どもが生まれたら②

13 ドイツで子どもが生まれたら ②

前回に引き続き、子どもがいる場合に得られる補助などについて見ていきましょう。

追加児童手当(Kinderzuschlag)
両親の生活費はなんとかなっても、子どもの育児費用までは賄えないという家庭が、子どもがいることで生活保護を受ける状況にならないように導入された手当です。夫婦の合計収入が毎月900ユーロ(独身者は600ユーロ)以上で、家庭の状況に合わせた規定額以下の場合に、児童手当を受給している子ども1人当たり月140ユーロが支給されます。申請は、管轄の家族公庫(Familienkasse)で行います。

両親手当(Elterngeld)
子どもを持つまで働いていなかった専業主婦(主夫)の方でも、最低毎月300ユーロ、働いていた方は、子どもが生まれてからの1年で、その前年に対して収入が減った分から一定の割合で、最高1800ユーロまで支給されます。出生後に申請を行い、誕生月から1年間受給できます。申請の際は、出産以前の1年間の収入を申告し、まずは1年間、暫定額を受給します。そして、1年後にもう一度産後1年間の収入を申告することで、最終的な額が精算されます。州によって申請方法が異なるようですが、まずは出生届を提出する際に住民局で問い合わせると良いでしょう。

リースター補助金(Riesterzulage)
子どもが生まれた年を含めた4年間は、母親に直接受給権があり、この間は年間60ユーロを自己負担することで、補助金が積み立てられます。年間の補助額は大人1人154ユーロ、子ども1人300ユーロ(2007年以前に生まれた場合は185ユーロ)。08年以降に生まれた子どもが2人いる母親の場合、年間60ユーロの自己負担と年間754ユーロの補助金の計814ユーロが積み立てられることになります。生後5年目以降は、自身がミニジョブまたは被雇用者として社会保険料を納めることで、補助金の直接受給権が継続されます。専業主婦(主夫)の場合は、配偶者が被雇用者であれば、夫婦共に加入することで間接的に受給権を得られます。リースター年金(個人年金の一種)などを申し込むことによって、補助金を受給できます。※公式には、欧州外の地域に移住した場合は補助金部分はカットされることになっています。

法定健康保険
被雇用者の場合、配偶者(一定収入以下)と子どもは何人でも無料で加入できます。自営業者などで、夫婦でプライベート保険に加入している場合でも、子どもを法定健康保険に家族加入させ、保険料を節約できるケースもあります。その場合、事業主である夫の収入を基準額(2014年現在、1カ月4050ユーロ)以下に抑え、妻を夫に雇われる形にすることで、妻は法定健康保険に加入し、子どもはその家族として無料加入できます。

ここでご紹介した制度は、それぞれ申請が必要です。せっかく用意されている制度なので、ぜひご利用ください。


 
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