20 年内にすべきこと
今年も残すところあと2カ月となりました。そこで今回は、「年内にすべきこと」を考えることにしましょう。「住宅ローン2」は、来月お届けします。
● 2015年より生命保険の最低保証利率の引き下げ
生命保険には年金保険(リースター年金・リュールップ年金・企業年金・プライベート年金)、介護保険、死亡保障、障害年金保険、貯蓄型保険などがあり、これらは現在1.75%の最低保証利率が設定されていますが、最近の低利子の影響を受けて、2015年1月1日より0.5%引き下げられて1.25%となります。なお、利率が引き下げられるのは来年以降の新たな契約に対してのみ。契約時の利率が適用されますので、今までに結んだ契約や年内に結んだ契約に対しては、契約期間中はこれまでの利率がそのまま適用されます。
0.5%と聞くと、大したことがないように感じられるかもしれませんが、長い年月を経れば大きな差になります。契 約期間が30年とすれば、その利子の総額には40%以上もの差が出ることになります。ということで、各種生命保険に加入するのであれば年内の方が良いのですが、年金保険などは数十年の長期に及ぶものであるため、きちんと検討して自分に適したものを選ぶ必要があります。
● 2014年リースター補助金の確保
リースター補助金は年金保険の自己負担分を積み立てることによって受給できますが、年内に2014年分を積み立てなければ今年分の補助金は受給できません。リースターは、特に子どものいる母親にとって手厚い補助金制度です。
ミニジョブまたはパートタイムなどで社会保障費を納めている場合や、子どもを生んで4年目までであれば、リースター補助金の直接受給権があります。例えば2008年以降に生まれた子どもが2人いる母親の場合、年間自己負担額60ユーロに、大人1人154ユーロ、子ども2人で600ユーロ、合計754ユーロの補助金が付きます。
● リュールップ年金等で2014年度の税金控除
所得税控除対象となるリュールップ年金や企業年金を利用し、年内に納めた額については、2014年度分の所得税を控除できます。リュールップ年金は法定年金と合わせて年間4万ユーロ(既婚者)/2万ユーロ(独身者)を控除対象とすることができます。不動産売却益や退職金、ボーナスなどのまとまった収入があったとしても、それらエキストラの収入に対する税金は非常に高く付きます。そこで、年末までにリュールップ年金に一括納付することにより、その分の節税が可能となります。
特にフリーランサーの方はこの仕組みを利用し、年内にリュールップ年金を納めることで収入と課税額を調整するとともに、年金を積み立てることができます。
表: 年収と節税額(2014)
なお、自動車保険は11月末までに解約すれば変更可能です。