29 事故保険 Unfallversicherung
事故保険は、事故によって身体に障害が残った場合などに補償が受けられる保険です。生命保険(死亡保障)は死亡時の補償のためにありますが、実際は亡くなってしまうよりも、障害が残って働けなくなってしまうことのほうが、経済的負担ははるかに大きなものになります。
一家の稼ぎ手が事故による障害で働けなくなれば、家計の収入が途絶えます。母親に障害が残れば、本人の介護費のみならず、子どもの身の回りの世話にも費用がかかるでしょう。場合によっては、特殊な車椅子や、住宅の改造費用などが必要になることもあります。このように、事故によって障害を負うと、家族皆が経済的打撃を受けます。独身者であっても、その後の収入が途絶えてしまえば、生活することさえ困難になるでしょう。
補償対象となる「事故」は、「外部からの突然の力により、避けようもなく自分の身体に与えられた障害」と定義されていますが、具体的には以下のような場合に補償されます。
• 交通事故(自分に原因がある場合も含む)
• 工事現場の横を歩行中、落下物に当たり負傷
• スキーやサッカーなどのスポーツ時のけが
(スカイスポーツなど、一部のスポーツを除く)
• 階段やはしごからの転落 など
事故保険の基本補償内容には、障害認定時に支払われる障害一時金や、整形治療、捜索費用などが含まれます。特約として、死亡一時金や障害年金、入院補助金、骨折時の事故見舞金などを付けることもできます。
障害一時金や障害年金は、負ってしまった障害の度合いによって支払われます。契約時には100%障害時の保証額を目安にすると良いでしょう。
障害の度合いは、身体の部位によって割合が決まっています。例えば、手首から先が機能しなくなる場合は55%、片目の視力を失った場合は50%、両目が見えなくなる・両足切断などの場合は、ほかの部位は健康であっても、障害の度合いは100%となります。
事故保険は、生命保険や障害年金保険(収入保障保険)と比べても、事故の場合にしか補償されない分、より低い保険料で多くの補償を得ることができます。
※1 通常42日までは雇用主から給与が支払われ、小規模の会社の場合は
健康保険から支払われる。
※2 補償額10€ごとにかかる保険料。20€の場合、保険料は倍となる。