ジャパンダイジェスト
意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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住宅購入

22 住宅購入

住宅購入のメリット

住宅購入の利点は、なんといっても将来の家賃負担が軽減されることにあります。どうせ毎月家賃を支払うのですから、その金額を払い捨てるのではなく、20~30年後に持ち家になるようにすれば、その後の家賃は掛からず、老後の生活が格段に楽になります。現在の利率なら返済期間の限られる40代後半の方でも十分に購入が可能です。また、子どもが巣立った後、将来夫婦で住む住宅を買っておくというのも1つの手です。

住宅の場合、購入にも売却にも手数料が掛かりますから、短期の売買の場合はよほど住宅価格が上がらないとお買い得ではありませんが、ドイツの住宅は日本のようには値も下がりませんし、地震による被害の心配もないので、老後は日本に帰るという場合でも、売却して手元にお金が残るのであれば、住宅購入の意味は十分にあると思います。

住宅購入の条件

自己資金はなくてもローンは組めますが、元手があるに越したことはありません。自己資金なしでは受け付けないという金融機関もありますし、住宅価格に対する自己資金率によって、住宅ローンの利率が変わってきます。また、永住権がない場合は、ローンを組める金融機関は限られますが、それでも受け入れてくれるところはあります。

被雇用者であればローンを組みやすいですが、フリーランサーの場合、職業によっては金融機関が限られたり、実績が必要になるということはあります。

住宅購入の流れ

まずは住宅用ポータルサイト、Immobilienscout24.deなどで、自身の希望と条件に合う物件を探してみると良いでしょう。検索条件を保存しておけば、新たな物件が出てきたときにメールで通知もしてくれます。

希望の住宅が見付かったら、物件に関する書類と自身の収入や資産に関する書類を整え、それを金融機関に提出して審査を受けます。数日で審査結果が出ますが、希望者の多い物件は早い者勝ちとなることもあるので、少なくとも自身の必要書類に関しては、予め用意しておく方が良いでしょう。例えば、自己資金が日本の銀行にあり、さらに日本円の場合は、先にユーロに換金しておく必要があります。

無事に銀行からのローンの承認(Zusage)が下りて、売り主からもOKが出れば、公証人(Notar)の下で売買契約を結び、購入が決まります。

住宅ローン

ローンを組む金融機関は、自身である必要はありません。ローンが組めるのであれば、より条件の良いところを選ぶことができます。ドイツにはバウシュパーカッセ(Bausparkasse)という、銀行とは別の住宅ローンのための金融機関があり、ここでローンを組むこともできますし、銀行ローンとの組み合わせも可能です。

また、復興金融公庫(KfW)という住宅金融公庫のようなものがあり、条件にもよりますが、5万ユーロまでなら低利子で融資を受けることができます。KfWの申し込みは、銀行やバウシュパーカッセでローンを組む際に、その金融機関を通して行います。銀行ローンのみならず、バウシュパーカッセおよびKfWを組み合わせた方が有利なことが多いのですが、銀行に直接問い合わせた場合、銀行ローンしか提示してくれないこともあります。そのときは必ず、バウシュパーカッセやKfWを組み合わせた場合の見積もりをもらい、比較検討すると良いでしょう。

 
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