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山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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確定申告の準備は年始から

34 確定申告の準備は年始から

確定申告の準備というのは、面倒臭がってついつい後回しにしがち。そして、期限が過ぎる頃になって、慌てて重い腰を上げるのが常ですが、年始から準備を整えておけば、一年が終わったときに自動的に書類がそろいます。今回は、確定申告書類の準備のコツをお伝えしましょう。確定申告の要は書類の準備、ここをクリアすれば、後は自分でするにしても人に依頼するにしても簡単です。

確定申告をしたほうが良いケースと申告の義務

まず以下のような方は、確定申告をすると還付の可能性があります。

通勤距離が長い方、医療費がかかった場合、幼稚園やベビーシッター代、プライベートスクールの学費を支払っている場合、夫婦の収入に差がある人同士が結婚する場合、失業やその他の事情により年間を通して勤務しなかった場合、利子収入が銀行口座から天引きされている場合、家族の住む場所と勤務地が異なり二つの住居がある場合など。

また以下の方の場合は確定申告の義務があります。

フリーランス・自営業者の方、夫婦が二人とも従業員として仕事をしていて税金クラスが3と5の組み合わせの場合、従業員だがサイドビジネスをしている場合、日本などドイツ以外での収入がある方(日本の銀行口座に日本円で報酬を受け取っている場合や源泉徴収されている場合も含む)。

ミニジョブの収入は申告の必要がありません。ミニジョブは雇用の一形態ですので、フリーランスの場合は450ユーロ以下であってもミニジョブではありません。2016年の年間の基礎控除額は8652€、既婚者は二人合わせて1万7304€ですので、それ以下の収入では所得税はかかりませんが、それでもフリーランスの場合は税務署に収支報告はしなければなりません。

書類の整理

まずは年始に、その年の確定申告用のファイル(Ordner)と見出し用紙(Trennblätter)、穴あけパンチを用意します。ファイルの中に以下のような見出しを作ります。

収入、各種保険/年金保険類、寄付、交通費、住居と仕事部屋(引っ越し)、子供(養育費、職業訓練、私立学校の学費など)、医療費、その他の通常外費用(葬式・離婚・扶養)、修繕人件費やお手伝いさん費用など

フリーランスの場合はさらに証拠書類を、下記のように項目別に整理して集計しておきます。

売上、交通出張費、仕入れ、事務用品、郵便、電話、通信、交際費など

そして、書類が手元に届いたら、その項目内に届いた順にとじていきます。保険類は、証書は別のファイルに保存しておき、年次通知はその年の確定申告ファイルにとじていきます。保険料通知は前年の末に届いていることも多いですので、該当年のファイルに保存します。保険によって、控除できるものとできないものがありますし、必要かどうか分からない書類もあるでしょうが、それらもまとめてこのファイルに保存します。感熱紙のレシートは時間が経つと印刷が消えてしまうのでコピーをとっておきます。クリアファイルなどに入れる必要はありません。証拠書類は10年間保存しなければなりませんが、こうしておけば10年後以降は順番にまとめて紙ゴミとして処分ができます。

確定申告の際には必要のないレシートや請求書、役所からのレターなどは、別のファイルにまとめておきます。そうすれば、年末には自動的に書類の仕分けが終わっており、書類をいろいろなところから引っ張ってくる必要もなく、ファイルをまるごと提出するだけで確定申告の依頼ができます。

 
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