51 銀行口座の手数料アップとネットリテラシ−
● 銀行手数料の引き上げ
欧州中央銀行のマイナス金利政策の影響もあり、ネットバンクを除く各銀行が手数料を引き上げ始めています。この5月からデュッセルドルフのシュパーカッセでも料金改訂があったので、実店舗のある他銀行やネット銀行と比較してみましょう。
シュパーカッセ・デュッセルドルフでは、毎月の口座維持手数料が7.90ユーロまたは11.20ユーロかかります。オンライン口座は5.50ユーロですが、毎月の入金額が1250ユーロ以上の場合は無料です。Postbankのオンライン口座の毎月維持費は入金額にかかわらず1.90ユーロ。クレジットカードの年会費はそれぞれ25ユーロ、29ユーロとなっています。いずれの銀行も窓口での入出金や振込用紙を提出しての手続きでは手数料が発生します。
このような支店を持つ銀行に対して、ネット銀行(Direktbank)ではたいてい口座維持手数料等の手数料がかからず、クレジットカード(プリペイドなら誰でも作成可) も無料。現金引き出しはCashGroup(ドイツ銀行・コメルツ銀行・ポストバンク・HypoVereinBank等)のATMで無料。さらに貯蓄口座の利率もより有利です。
● ネット銀行の利便性は?
ネット銀行というと、支店がないので不安・怪しいと思う人がいるようですが、認可上は他の銀行と全く変わらず、またネット銀行の多くは大手銀行の子会社です。店舗(窓口) はありませんが、その分のコストを削減し、広告に予算を投じ、無料で利率も良いという特徴をアピールして預金者を集めます。このようにネットバンクには多くのメリットがあり、支店は次々に閉鎖される傾向に。ドイツ全体では銀行支店数はすでに一時期と比べると半数以下に縮小しており、支店型の銀行は、ビジネスモデルとしての将来性を悲観されているのが現状です。
とはいっても、銀行口座の変更はさまざまな料金の引き落としなどがあるため、大変面倒な作業です。ところが、行政の働きかけにより昨年より自動引き落としの移行は銀行側の義務とされました。口座開設後に手続きさえすれば過去1年間の引き落とし先に銀行が連絡し、自動的に新しい口座からの引き落としに変更してくれます。
まだオンラインバンキングを試したことがないという人は、これを機にチャレンジしてみください。スマートフォンでも簡単に送金ができるようになります。対応が遅れると、今後はさらに維持費や引き落としの際によりお金がかかるようになる可能性もあります。comdirect bankやnorisbankなどのネット銀行は開設しやすく、使いやすいのでおすすめです。
銀行名 | Spk Düsseldorf | Spk Düsseldorf | Postbank | ネット銀行 |
口座種類 | Basiskonto | オンライン口座 | オンライン口座 | オンライン口座 |
毎月基本料金 | 7.90€ | 5.50€* | 1.90€ | 無料 |
窓口での入出金 | 無料 | 2.50€ | 1.50€ | なし |
振込用紙での振込 | 無料 | 2.50€ | 1.50€ | なし |
口座の記録の印刷 | 無料 | ダウンロード のみ |
0.50€ | ダウンロード のみ |
オンラインバンキング でのSMS |
0.09€ | 0.09€ | 無料 | 無料 |
ATM無料引き出し | Sparkasse グループ |
Sparkasse グループ |
Cash Group | Cash Group |
クレジットカード 年間 | 25.00€ | 25.00€ | 29.00€ | 無料 |
*毎月1250 €以上の入金で無料 |