ジャパンダイジェスト
意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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あなたは現金派? それともカード派?

53 あなたは現金派? それともカード派?

カード払いやgirocardを使うメリット

スウェーデンではキャッシュレスが多数派、中国ではさらに進んでスマホアプリでの決済が普及していますが、ドイツではまだまだ現金払いの人が多いようです。

現金派は「カードだといくら使ったか分からないため、余計に使ってしまう恐れがある」と言いますが、今は支払い先がスーパーなのか薬局なのかなど、明確かつ自動的にカテゴリー分けをして家計簿を生成してくれる機能もあります。

カードの濫用に対しては毎月明細を必ずチェックし、覚えのない支払いがあればオンラインでキャンセル払い戻し手続きが可能です。カードを使用しない方でも不正な引き落としがないか定期的にチェックしたほうが良いでしょう。

また、店舗にとっては例えばgirocard(注1)で1%、クレジットカードで2.5%の手数料を店側が負担することになるので、カード払いを嫌えんするところもありますが、カード払いが可能になれば、おつりの計算間違いや現金を盗まれる心配もなく、毎日の売上を銀行に足を運んで持って行く必要もありません。カード使用はgirocardのほうが圧倒的に多いので平均して1%強の手数料を払っても十分ペイするはずです。また上記のようにクレジットカードのほうが手数料が高いので、客としてどちらで支払っても良い場合はgirocardを利用したほうがお店としても嬉しいのです。

オンラインショッピングでも銀行口座があればPaypalやSofortüberweisungというサービスを利用しての決済も可能。ユーロ圏では基本的にこのgirocardが使えます。ですがgirocardが使えない場合の備えとして、他国での支払いにはやはりクレジットカードがあると便利です。

支店銀行のクレジットカードは少々割高です。年会費はドイツ銀行で39ユーロ、デュッセルドルフのシュパーカッセでは25ユーロとなっています。また手数料はこれだけではなく、他通貨をクレジットカードで引き出す場合の手数料が発生し、ドイツ銀行カードでは4.75%(最低7.25ユーロ)、デュッセルドルフシュパーカッセでは3.5%(最低6.5ユーロ)となっています。

ネットバンクのカード利用とその他注意点

一方ネットバンクでは年会費も他通貨引き出し手数料も無料のところが多くあります。しかし残念ながら現在日本のパスポートでは本人認証ができないため、日本人が開設可能なネットバンクは、外国人でもビデオチャット認証ができるN26とFidor bankくらいしかありません(2017年7月時点)。どちらの銀行でも年会費なしのプリペイドクレジットカードが付いてきますが、girocardがないのでカード払いができる店が限られています。また他通貨の引き出し手数料は1.7%です。

このように同じMasterやVISAであっても発行している金融機関によって手数料は大きく異なりますので、特に国外で支払いや引き出しを多くされる場合にはあらかじめ手数料をチェックすると良いでしょう。

また旅行先でクレジットカードを提示した際に、「現地通貨払いにするかユーロ払いにするか」と聞かれることがありますが、これはトリックで、現地通貨払いにしなければ8~12%もの多額の手数料を取られてしまうことがありますので要注意です。

学生や渡独したばかりの場合はクレジットカードの審査が通りにくいですが、ネットバンクの無料デビット・クレジットカードにするか、年会費25ユーロ程度でPaybackなどのプリペイドカードを取得することはできます。

(注1)girocard(ec card)は通常銀行口座を開設すると取得するカードです。

 
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