ジャパンダイジェスト
意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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フリーランス・個人事業を始めるには

54 フリーランス・個人事業を始めるには

フリーランスの仕事(副業)を始めるのは、非常に簡単になってきました。海外にいながらも「ランサーズ」や「クラウドワークス」といった仕事のマッチングサービスを通して、さまざまな日本の仕事をオンラインで受けることができます。ショッピングサイト「BUYMA」では、売れてから商品を仕入れる無在庫販売で、海外からの商品を誰でも簡単に販売することができます。インターネットを通して自分のサービスを提供したり、ブログやサイト運営でアクセスを集め広告収入を得たり、商品やサービスを紹介して紹介料を受け取れるアフィリエイトも可能です。

失業・病気・怪我・老後資金の不足といった、起こりうる人生のリスクを軽減するためにも副業・複業は誰にとっても重要なものとなってきていると思います。

ドイツでフリーランスを始めるには、手続きや会計処理・確定申告も必要になります。滞在ビザと健康保険をクリアしたら、次に商業登録(Gewerbeanmeldung)や税務署への事業登録が必要になります。

※ フリーランス収入は毎月450ユーロ以下であってもミニジョブ(月450ユーロまでの雇用される仕事で非課税)ではないので、登録や税務署への申告は必要です。

商業登録(Gewerbeanmeldung)

翻訳・通訳、芸術家、デザイナー、教師など、自分一人で仕事を行う場合のフリーランサー(Freiberufler)は、商業登録をする必要はありません。

輸出入や物販、イベント運営、塾を開くなどの場合は、市役所のGewerbeamtでの商業登録が必要になります。

都市ごとに異なる場合もありますが、手続きは簡単でオンラインや郵送でも申請は可能、費用も手続料程度(約30 ユーロ)です。

税務署への事業登録

その次に税務署への事業登録をし、税金番号(Steuernummer)を取得します。これは 住民登録後に自動的に郵送されてくる税金ID番号(11桁の数字)とは別の番号です。請求書には必ずこの税金番号を明記します。

まずElster(Elster.de)に登録し、「Fragebogen zur steuerliche Erfassung」をオンラインで提出しましょう。分かりづらい場合は、専門家に相談することをおすすめします。

売上税と小規模事業者

年間売上見込み(利益ではありません)が2万2000ユーロまでの場合は、小規模事業者規定(Kleinunternehmer- Regeln)を適用して売上税を免除することができます。職業によっては売上高に関わらず売上税を免除できるものもありますが、その場合は個別に確認および手続きが必要です。

売上税を免除しない場合は、大抵、初年度は毎月の売上税仮申告(Umsatzsteuervoranmeldung)の義務が生じます。自分の請求額に売上税を乗せて請求し、この売上税分は税務署に支払います。その代わり経費として支払った分の売上税は還付されます。毎月の売上税仮申告では、売上のほうが多ければ税務署に支払い、経費のほうが多ければその月は還付されることになります。年間売り上げ見込みが2万2000ユーロ以下であっても、経費の多い仕事では、売上税申告をしたほうが経費の売上税が還付されるので有利です(ただしそのための会計費用はかかります)。 

事業を辞める際には商業登録の解除(Abmeldung)や税務署へもその旨を伝えます。

※上記説明は申請内容を網羅しているわけではありません。不明点があれば専門家にご相談ください。

 
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