64 関税について(国際郵便・オンラインショッピング編)
家族や友だちがプレゼントを送ってくれたり、オンラインショップでEU外の商品を注文した際にわざわざ関税局まで取りに行かされ、しかも税金や手数料を支払わなければならなかったという経験はないでしょうか? 今回は郵送の場合の関税のルールについてご紹介します。
● 個人間のプレゼントの場合
空港の税関では個人の荷物は大人1人当たり430ユーロまでは非課税ですが、郵送では自分の荷物や個人間の贈り物の場合45ユーロ相当までしか非課税になりません。ただし、コーヒー・タバコ・アルコール・香水などは量の制限があります。45ユーロを超えて700ユーロまでは一律で商品価値の15%または17.50%の課税が。700ユーロを超えるとその商品の種類に応じて課税されます(表参照)。時々税関で一度開けられた荷物が届くことがありますが、郵便物の外側に値段や内容が表記されていないと中身を確認されます。
● オンラインショッピングの場合
所在地がEU外のショップから購入した場合、送料込みで22ユーロ以上であれば課税されることになるので、合計金額が思ったほど安くならないこともあります。一口に関税と言うことが多いですが、支払う金額の内訳は関税・輸入売上税・その他手数料があります。送料込みで150ユーロまでは関税はかかりませんが、国内同様7%または19%の売上税が課せられます。
- ・22~150ユーロ:輸入売上税(7または19%)、関税なし
- ・150ユーロ以上:輸入売上税(7または19%)+関税(表参照)
さて、2018年3月からはドイツポストとDHLは22ユーロより高い商品では税関手数料6ユーロを徴収し、通関手続きをして直接家まで届けてくれるようになりました。ということは、例えば中国から30ユーロの商品を購入した場合、輸入売上税が19%で5.70ユーロ、さらに6ユーロのDHL手数料がかかり、合計41.70ユーロになります。
物品の内容や値段が不明のために配達してくれず荷物が税関に行ってしまった場合には、①関税局に取りに行く②再配達してもらう③受け取らないの3つの選択肢があります。①引き取りには請求書と支払いの証明を持参します。②Postverzollungというサービス(28.50ユーロ)を利用すれば、書類を提出して自宅に配達してもらうことも可能です。または、③2週間以内に対処しなければ送付元に返送されます。ちなみにケルンの税関では届く荷物の4分の1は返送されているようです。
関税対象のものをよく購入する方は、税関公式アプリ「Zoll und Post」で関税額をチェックすることができます。
物品別の関税・売上税率の表
物品の種類 | 関税 | 売上税 |
衣類 | 12.0% | 19% |
革靴 | 8.0% | 19% |
靴(革以外) | 17.0% | 19% |
金銀細工 | 4.0% | 19% |
アナログカメラ | 4.2% | 19% |
デジカメ | 0.0% | 19% |
カメラレンズ | 6.7% | 19% |
ノートパソコン | 0.0% | 19% |
スマートフォン | 0.0% | 19% |
ゲーム機 | 0.0% | 19% |
絵画 | 0.0% | 7% |
本 | 0.0% | 7% |
化粧品 | 0.0% | 19% |