66 詐欺の手口
● 鍵屋の手口
鍵の紛失などで鍵屋に開けてもらう場合、シンプルな鍵なら相場は150ユーロくらいですが、代わりの鍵を取り付けるなど手の混んだ処置によって1000ユーロ以上も請求されることがあります。作業の前にその処置が必要なのかを確認したり、細かく写真にとって記録すると良いでしょう。疑問がある場合は「請求書の内容を確認した上で支払う」と伝え、その場では支払わないか、自分が受け取る領収書に「Bezahlt unter Vorbehalt(仮払い)」と書いてもらう方法もあります。事後に調べて怪しい場合には、弁護士に相談をしましょう。また引っ越しをした際には、自宅近くの信頼できる鍵屋さんをあらかじめ見つけておくと良いでしょう。信頼できる人に鍵を預けておくのも一案です。
※ 建物で共有している鍵を紛失した場合は、詐欺ではなく実際に鍵の交換に数千ユーロから1万ユーロほどかかることも。この場合は賠償責任保険(鍵紛失が保証内容にあるもの)に加入していればカバーされます。
● 警察官に見せかけて
- ・ATMでお金を下ろすと少しして警察官と称する人が警察手帳のようなものを見せ、身分証明書と財布を見せろと言ってくるケース。その場で財布を取り出してはいけません。
- ・110番から電話がかかってきて「あなたの銀行口座情報が犯罪組織の手に渡ったことを確認しました。今から警察官が同行するので、すぐに残高を引き出さないと盗まれてしまいます」と言ってくるケースがあります。
● 不動産詐欺の手口
面白いことに詐欺物件というのは、信じられないくらい良い条件の物件です。そのため、うまい話に乗ろうと思う人ほど騙されやすいよう。非常に親切で丁寧なメールが届き、「自分は仕事上の理由ですでに国外に引っ越しており、すぐにでも借り手を見つけたい」と言葉巧みに誘導してきます。連絡先として明記してある不動産屋もドイツ国外にあり、立派なホームページです。このように、手の込んだ方法で騙そうとする手口もありますので、ネット上だけでのやり取りで振込みなどを要求された場合は要注意です。
● ネット詐欺の手口
- ・銀行などからメールが来て、ログインを求める。
- ・知らないネットショップは注意。
- ・SNS上などの広告をクリックして購入する商品は注意。
- ・検索結果の一番上にあるAdマークが入っているものは広告です。中には詐欺広告が混ざっている場合も。
● 対策
- ・金融機関等のサイトへのアクセスは、メール内リンクや広告を踏まない。
- ・銀行口座やクレジットカードは、不審な引き落としを確認後すぐに届ければ返金されます。
- ・詐欺サイトの見た目は本物とそっくりなのでURL(インターネットアドレス)が正しいかを確認する。
- ・パスワードは管理ツールを使いサービスごとに異なるものに設定する。GmailやFacebookなどのメジャーなサービスでは同じパスワードを使い回さない。
- ・初めて使うネットショップやサービスは、サイト名とBetrug・Abzockeで検索し、詐欺サイトでないかをチェック。
急いでいたり、心の隙きがある時こそ騙されてしまうもの。もし、騙されてしまった場合にも、今後のためにあらゆる詐欺の手口を知っておくことが必要です。