68 法定健康保険の変更点 / 年内にすべきこと
法定健康保険の変更点
法定健康保険負担軽減法が2018年10月18日に批准され、2019年1月1日から多くの従業員の法定健康保険料が下がります。またフリーランス・自営業者にとっては最低保険料が大幅に下がります。
● 従業員・年金生活者
今までは基本保険料である給与額面の14.6%を労使で折半、追加保険料の約1%は従業員の負担でした。追加保険料も労使折半になるため給与額が変わらなければ保険料負担は0.5%下がります。これは例えば3000ユーロの給与であれば、毎月15ユーロ年間で180ユーロ保険料が下がることに。さらに法定年金の所得税控除率も毎年上がるので、2019年1月の給与明細からは手取りが少し増えます。
● 保険会社の変更
追加保険料は平均が1%ですが、保険会社によって0%から1.7%まで差があります。大抵のAOKは平均の1%ですが、AOK Rheinland/Hamburgは1.4 % と高め、DAK-Gesundheitは1.5%となっています。TKは0.9%ですからDAKから変更するだけで自営で0.6%、従業員は労使折半なのでその半分の0.3%の負担が軽減されます。ただし、歯のクリーニング・予防措置や代替療法の補助内容は保険会社により多少異なります。法定健康保険は18ヶ月以上継続して加入していれば解約可能。ただし、オプション(Wahltarif)をつけている場合は3年間解約できないこともあるので、オプションをつけたい場合は別の保険会社で追加保険に加入するほうがフレキシブルです。解約・保険会社の変更には費用はかかりません。保険料が値上げされる場合は、オプション契約があっても解約できることもあります。
● フリーランス・自営業
これまで専業フリーランスは毎月最低約410ユーロの健康保険料がかかりましたが、これが大きく軽減され2019年からは毎月収入が1142ユーロまでは、保険料は今までの半分の約205ユーロとなります。これによりフリーランス自営業のハードルが大きく下がり、保険料的にもプライベート保険のみならず法定健康保険も選択肢とすることができるように。特に扶養家族の負担が軽減されます。主婦の場合、週の労働時間が20時間までの副業は、これまでも毎月平均収入435ユーロまでは無料で家族加入、毎月1015ユーロの収入までは約180ユーロの保険料でしたが、この保険料が適用されるためには保険会社への収入申請の用紙の職業欄は自営ではなく主婦(Hausfrau)と記入します。
年内にすべきこと
● リュルップ年金(Basisrente)で税金控除
2018年は法定年金と個人年金を合わせて、シングルで2万3712ユーロ、既婚では4万7424ユーロまで所得税控除の対象とできます。12月末までの入金されたものが有効です。すでに契約のある方は追加入金をすることとで、まだ契約のない方は新規契約+一括入金でまとまった金額を所得税控除することができます。収入により15~40%もの控除があるので、銀行預金利率0.1%時代には長期的資産運用の方法として非常に優れています。
● 自動車保険変更の場合は解約を
自動車保険を他社に変更したい場合は11月末までに解約します。保険料値上通知がそれよりも後にあった場合には期限を超えても解約できます。