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検索ワード11「父親 自覚 いつから」

検索ワード11
「父親 自覚 いつから」

ドイツ語単語

・父親として:als Vater
・自覚:Selbstbewusstsein
・誠意を示す:guten Willen zeigen
・神経過敏な:hypersensibel

「父親 自覚 いつから」、このワードで検索をかけると、出てくる出てくる! 妊婦や産後の新米ママからの心の叫びが!! もちろん、父親になった男性からのアドバイスもちらほら見受けられる。それらの声を、むさぼるように読んでいた時期があった。

妊婦となった女性の1人として、私はとても不思議に思っていた。「なぜ夫は、変わらないでいられるのか?!」と。

「赤ちゃんって、今どのくらいの大きさなの?」から「産まれる前にオレにできることはないよね」まで、まったく悪気のない夫の発言が、なーんか引っかかる。何となく他人事という距離感なのだ。ちょっとした質問に対し、「それくらい、ちょっと検索したら分かるよね」→「あぁ調べる気がないんだ。自分の子に興味がないんだ」と苛立ち、どんどん膨らんでいく。

妊娠初期は、自分もまだ半信半疑だったが、刻一刻と膨らむお腹、エコー写真で確認できる赤ん坊の姿、妊娠後期にもなると、お腹を蹴って、蹴り巻くって赤ん坊は自分の存在を知らせてくれる。赤ん坊の成長を肌で、というか如実な体の変化として実感する女性と比較しては、フェアじゃないとは思う。だけど、かなりその部分を差し引いても、やっぱり・・・!と、妊娠後期に入っていたある日、意を決して聞いてみたことがある。

(羊)「ねぇねぇ、私たちの子どもが産まれてくるの、楽しみ? 赤ちゃんのこと、かわいい?」

(夫)「いや、正直よく分からん。会ったこともない人を好きかどうかは。どんな子か、まだ知り合ってもいないし・・・」

(羊)「・・・・!!!!!」

(夫)「いや、生まれてくるのは楽しみだよ。でも、無条件にかわいいかと聞かれると・・・やっぱり分かんないなあ」

(羊)「・・・(泣)」

父親 自覚イラスト:shoko Maeda-schmidt

今、出産から少し時間が経っているから分かることだが、当時は相当に神経過敏になっていた。よくいわれる、ホルモンバランスのせいなのかもしれない。赤ちゃんと、1つの身体を共有しているからか、赤ちゃんのことと、自分のことを区別して考えられないようにすらなっていたように思う。

上記の夫の発言は、改まってへんな質問を飛ばしてくる妻への、彼なりの誠意だったと思う。そして、実際は「正直分からない」赤ちゃんとの産後の関係性。だけど、そんなこと言えないのだ、「母」は。無条件に子どもを受け入れる存在、それが「母」の役割なのだ。それが、本能のなせる業なのか、「母性本能」という言葉で固められた社会的な役割を、無意識に理想化しているのか、出産という未知の体験を前にしていた私にはついに分からなかったし、産後は、すっかり親バカ夫婦になってしまった。

でも、今でもたまに思い出す。我が子を好きになれるかどうかは、会ってみないと分からないといった夫の言葉を。子どもに髪の毛を引っ張られながらも、楽しそうに格闘している夫を横目で見ながら・・・。

次回、「Kliniktasche(入院バッグ)」。入院バッグ、日本とドイツで必須項目にちょっとした違いも・・・。



最終更新 Montag, 12 Oktober 2015 19:45  
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