ジャパンダイジェスト

カタールW杯2022日独代表はドイツでどう報道されたか?

11月20日にカタールで開幕したワールドカップ(W杯)では、ドイツも日本も敗退してしまったが、史上初の日独戦があり、日本がグループリーグを首位で突破するなど、見どころがたくさんあった。そんな日独代表にまつわるドイツメディアの報道をピックアップ!(文:ドイツニュースダイジェスト編集部)

決勝トーナメント進出が決まり、かけよってよろこぶ日本代表選手たち決勝トーナメント進出が決まり、かけよってよろこぶ日本代表選手たち

初戦で日本に敗れたドイツ1. ドイツ代表から落胆の声

11月23日、カタールW杯グループEの初戦で、ドイツ代表は日本に1対2で敗北。開幕直後からドイツには重苦しい空気が流れた。試合当日、スポーツメディアSPORT1では、監督や各選手たち、解説者の声を紹介した。

  • ハンジ・フリック監督
    「日本は効率という点で明らかにわれわれを上回っており、そのおかげで一つ多くゴールを決めた」
  • マヌエル・ノイアー選手
    「われわれが勝利を逃したことに完全に失望し、腹立たしく思っている」
  • バスティアン・シュヴァインシュタイガー(解説者・元ドイツ代表)
    「われわれにはゴールを決めるチャンスがあった。でも2対0にすることができなかった」

人権問題をめぐり、口をふさいでFIFAに抗議したドイツ代表選手たちが話題になった人権問題をめぐり、口をふさいでFIFAに抗議したドイツ代表選手たちが話題になった

日本代表が決勝トーナメント進出決定2. ドイツは「世界王者から問題児へ」

12月1日、ドイツはグループリーグ最終戦でコスタリカに4対2で勝利した。しかし、日本が2対1でスペインに勝ったため、ドイツ代表は決勝トーナメント進出を果たせなかった。各メディアはドイツの悲報、日本の勝利を次のような見出しで報道した。

  • 第2ドイツテレビ「DFB11人の運命 - 数ミリの問題:いかにして日本がスペインに勝ったのか」(2022年12月1日)
  • 第1ドイツテレビ「DFBがサッカーW杯から退場 - 世界王者から問題児へ」(2022年12月2日)
  • ヴェルト紙「W杯敗退の反応 -『 ドイツは敗退したのではなく、ドイツはこれ以上プレーしないだけ』」(2022年12月2日)

クロアチアに敗れた日本代表3. 日本は「とても強い」

12月5日、日本代表は対クロアチア戦で1対1のまま延長戦を迎え、PK戦でクロアチアに敗れた。決勝トーナメント敗退となり、悲願のベスト8は叶わなかった。南ドイツ新聞のコラムでは、見出しで「日本は(11メートル)地点で冷静でいることに負けた」としつつも、日本代表について次のように評価している。

「ハンジ・フリック(監督)は、ドイツのW杯敗退について分析するのに忙しいはずだが、監督が月曜夕方にテレビを見ていたことは間違いないだろう。(中略)カタールでドイツ代表を1対2で決定的に負かした敵は、一体どのくらい強いのか? 答えは『とても強い』だ」

ニュース番組が物議をかもす3. 日本人に対する差別発言

ニュース番組「ヴェルト」で、元プロサッカー選手のジミー・ハートヴィッヒ氏が発言した内容が物議をかもしている。同氏は日本に敗れたドイツ代表が敗退した理由を分析し、アジア人を差別する用語「チン・チャン・チョン」という言葉を日本人に対して発した。この差別発言をめぐって、ツイッター上でドイツに住む日本人を中心に問題視する声が広がり、番組のユーチューブからは動画が削除された。

ベルリン在住ライターの河内秀子さんは、12月4日にヴェルトに抗議のメールを送付。その翌朝に動画は削除され謝罪の返事をもらったが、あくまで形式的な対応で、差別問題の根幹について触れるような回答は得られなかったという。ハートヴィッヒ氏は個人のインスタグラムに謝罪文を投稿したが、12月7日時点でヴェルトからは今回の発言に対する公式見解は発表されていない。

 
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