日常のふとした発見から、欧州ならではの伝統と歴史を切り取ったものまで、各自の解釈に基づく多くの力作が届いた、ニュースダイジェスト主催のフォトコンテスト2016、いよいよ受賞者の発表です。審査員によると今回は例年以上にレベルが高く、選考が非常に難しかったとのこと。では応募者の皆さんの思いがこもった作品を早速、見ていきましょう。
テーマ「海外生活の一コマ」
マチュア部門大賞
「見て!!」
クリチンスキ グジェゴジュさん
息子の2歳の誕生日に、家族で彼の大好きな蒸気機関車に乗りに行ったときに撮影しました。初めて聞く汽笛の音にワクワクしている表情がガラス越しに見えているところが、とても気に入っています。思い出に残る写真をこれからも撮っていけたらと思います。
キッズ部門大賞
「負けた~」
加藤 仁菜さん(7歳)
ロンドン日本人学校の運動会で、白組の私は勝ちました。負けてしまった、赤組のお兄ちゃんとお友だちは、芝生に寝転んで悔しがっていました。大賞に選ばれたと聞いてびっくりしたけれど、すごくうれしかったです。これからは自分のカメラで、お友だちや家族の面白い写真をたくさん撮りたいです。
審査員コメント
小さなフォトグラファーの視点で世界を見つめ直すのは新鮮ですね。疲れ切った少年たちのうちの一人の妹さんによって撮影されたという点に興味惹かれました。才能ある妹さんによって、非常に親密な瞬間が捉えられています。 by Canon Europeマチュア部門特別賞
「お誕生日おめでとう!」
関根 祥二郎さん
カメラ歴は50年程です。王室の公式行事には、英空軍アクロバット・チーム「レッド・アローズ」のフライパスがあるので、以前にも撮ったことがあります。エリザベス女王90歳誕生日の今回は、今までの失敗と経験が生かされ、タイミング良く撮れたと思います。
審査員コメント
この作品は要点を押さえ、構図もほぼ完ぺきです。あっという間に飛び去るレッド・アローズと、スマートフォンを構える観客の姿が絵になっており、煙とユニオン・ジャックの色彩も鮮やか。新聞の1面にも使えそうです。by Canon Europeマチュア部門入賞
「夏の日のお散歩」
竹野 佑哉 さん
大好きなWürzburg Residenz の庭園。夏の日差しが始まった6月頭、いつもの散歩道でカモのカップルに遭遇。夏を待ちわびていた者同士、しばらく一緒にお散歩。初夏を感じたひとときでした。これからも何げない風景を撮っていこうと思います。
審査員コメント
カモ目線のローアングルから写した構図で、カモの背景に広がる淡い緑と空の描き方が秀逸ですね!公園の小道と木立がどこまでも続き、風景の奥行きを感じさせてくれる、空間を見事に表現した一枚です。 by JSTVマチュア部門入賞
「日没後のエルベ川に映るドレスデンの街」
車田 和寿 さん
いつも通っている橋から見えるドレスデンの街並みです。ライトアップされた建物がエルベ川に映り、想像を超える美しさで時間が過ぎるのを忘れるくらい撮影に夢中になりました。写真を選んで頂き、皆様にご覧頂ける事を光栄に思っております。
審査員コメント
入賞、おめでとうございます! 今年の応募作品は、まるで自分がそこにいて風やまわりの音を感じながらカメラのファインダーを覗いているような気持ちになる素敵な作品が多く、選考が非常に難しかったです。日没時は一瞬で表情を変えます。空や雲の色、ドレスデンの荘厳な建物と優美な街並みに、街灯の柔らかさやエルベ川に映る景色、構図も素晴らしく、すべての一瞬を凝縮したとても美しい作品です。 By Steigenberger Frankfurter Hofマチュア部門入賞
「散歩道のポピー」
車田 祐紀 さん
自宅近くの散歩道で、一面のポピー畑を見つけ、すぐに好きなモネの絵画を思い出しました。これを写真に収めたいと、太陽が沈む頃を狙って数日通って撮影しました。夕日に照らされたポピーがとても綺麗で印象的でした。今回の入賞を励みに、また楽しく写真を撮り続けたいです。
審査員コメント
手前のポピー、夕日に暮れなずむ街並み、そして沈みゆく夕日を同時に捉えた傑作。夕日を真正面に据えた構図からは、写真に内包された世界では太陽が全ての光源であり、太古の昔からこのような風景が広がっていたかのような壮大なスケールを感じました。夕日に照らされたポピーのだいだい色と、花茎の緑のコントラストも美しい。 By Sunstarマチュア部門入賞
「夏、ネッカー川のほとりにて」
佐藤 守 さん
クラシックな建物の脇を走るテュービンゲンの象徴で、学生たちがボートに乗り、涼をとっている。色鮮やかなマリーゴールドがこれを臨み、観光客を出迎える。炎天下にもかかわらず、夢中になりシャッターを切りたくなる、そんなお気に入りの場所からの1枚。
その他のマチュア部門受賞作品
(Sunstar より Green Juice とBrown Rice & Soy Drink のセット)
マチュア部門入賞
「日光浴+ビール=ミュンヘンの夏」
高畠 啓輔 さん
6月末にミュンヘンのハッカーブルッケで撮影した一枚です。夏らしい青空と鉄橋の上で、友人とビールを飲みながら語らう様子は海外ならではだなと思い、普段から鞄に忍ばせているカメラで撮影しました。入賞することができ、今はうれしさでいっぱいです。
審査員コメント
この写真は、私に非日常的なワンシーンを想起させ、語りかけてきました。写真は、生物である人物と無生物である橋の影絵のようです。鉄鋼の冷たさと、人物が向き合って楽しそうにお喋りしている暖かな雰囲気のコントラスト。この二人が私には世界の基準や義務から解き放たれているように思えました。彼らはこのフレームの中でとても自由なのです。自由の素晴らしさを切り取った一枚。By Land Gut Höhneキッズ部門入賞
「森のナメクジの散歩」
ハス 仁菜 さん(4歳)
雨の降った翌日、「オバケの森」で地面に目を向けるとツヤツヤぽってりとしたナメクジたちが。それを見つけて遠巻きにキャーキャーいう娘が、友達から貸りて初めての一眼レフを持つと、不思議とグッとナメクジに近づいていたのがとても印象的でした。
審査員コメント
虫の息吹、枯葉の音、森の香りが漂ってくるような作品で、独特の世界観があります。慣れないカメラと見慣れない生きものへの興味が五感を鋭敏にさせたのでしょう。そこには構図・フォーカス・光といったうまく撮ろうとする意識がなく、あるのはただ「オバケの森でのドキドキ」。無意識の意識が捉えた絶妙な奇跡の一枚です。 By Distel Bioladenキッズ部門入賞
「きれいなお花」
関野 由苗 さん(8歳)
入賞できてとってもうれしいです! これはお友達の庭にあったお花で、とてもキレイだったので選んで並べてみました。本当はもう一枚別の写真がありママはそっちの方が良いよと言ったけど、私は自分で決めた方にしました。本当にありがとうございました。
審査員コメント
入賞おめでとうございます! 花と同じ高さに目線を持ってきて、しっかりと花の輪郭を捉えていますね。背景の緑色が、花の赤や濃いピンク色をうまく引き立てています。 夏の太陽の光を受けた、鮮やかな色彩が印象的な作品です。 By BOOKstore NIPPON審査員総評
今年も素晴らしい作品が勢ぞろいし、大変審査の難しいコンテストでした。マチュア部門では、構図など技術的な面が洗練されていることに加え、写真の背景にあるストーリーを感じさせる作品が多く、見るものに訴える力を持つハイレベルな作品が集まりました。キッズの作品についても、大人とは異なるピュアな視点で世界を切り取っており、才能溢れる注目すべき作品が数多くありました。 by Canon Europe受賞者と賞品
- マチュア部門大賞 :「 見て!! 」 クリチンスキ グジェゴジュさん(英国)
Canon Europe より
デジタルSLR カメラ Canon EOS 750D レンズ:EF-S 18-55mm f/3.5-5.6 IS STM - キッズ部門大賞:「 負けた~」 加藤 仁菜さん(英国)
Canon Europe より コンパクトデジタルカメラ Canon IXUS 175 - マチュア部門特別賞 : お誕生日おめでとう! 」 関根 祥二郎さん(英国)
Canon Europe より インクジェット・フォトプリンター Canon PIXMA MG6850 - 「夏の日のお散歩」 竹野 佑哉 さん
NHK Cosmomedia (Europe) Ltd. より JSTV無料視聴2カ月分 - 「散歩道のポピー」 車田 祐紀 さん
Sunstar より Green Juice とBrown Rice & Soy Drink のセット - 「夏、ネッカー川のほとりにて」 佐藤 守 さん
Sunstar より Green Juice とBrown Rice & Soy Drink のセット - 「日没後のエルベ川に映るドレスデンの街」 車田 和寿 さん
Steigenberger Frankfurter Hof より THE SPA のご利用券 - 「日光浴+ビール=ミュンヘンの夏」 高畠 啓輔 さん
Land Gut Höhne より食事券 - 「森のナメクジの散歩」 ハス 仁菜 さん
Distel Bioladen より 元気おやつセット - 「きれいなお花」 関野 由苗 さん
BOOKstore NIPPON より 子ども向けの本
大賞・特別賞
ドイツマチュア部門入賞
ドイツキッズ部門入賞
受賞作品は日本語テレビ局 JSTV で、2017年1月より順次放送予定
審査員コメント
汽車の窓から外を見る男の子の本当に幸せそうな顔が窓に映っていますが、この表情が作品の主役ですね。喜びと期待に満ちた様子が見事に捉えられています。親御さんとしても誇れる一枚ではないでしょうか。 by Canon Europe