かぶ・Rübe
若葉輝くこの季節の楽しみは、朝市に時折並ぶ真白いかぶでしょう。京野菜、聖護院かぶを彷彿させるどっしり感に、絹のように緻密で繊細な肉質、そしてほのかな甘さ。なかなか手に入らないので、見かけたらここぞとばかり買い占めます。
古くは、文豪ゲーテや批判哲学の祖カントにも愛されたかぶ。しかしその後、どういうわけか家畜の飼料に成り下がり、それを戦時中は人々が涙を飲んで食べたものだから、イメージは凋落してしまいました。最近では、かぶを知らないドイツ人も多く、葉の付いたかぶを幾束も抱えてホクホクしていると必ず、「それ、なあに?」と聞かれるし、八百屋のおばさんまでもが「葉はどうやって食べるの?」と聞いてきます。ちなみに、茎には苦みがありますが、葉自体は柔らかいので、お浸しや炒めものにすると美味しくいただけます。
白身魚のかぶら蒸し
本来は、かぶの白さを雪に見立てた冬の食べ物。彩りを加えて、春らしく。
2人分 | |
かぶ | 1個(約250g) |
白身魚 | 1切れ(120g程度) |
片栗粉(Speisestärk) | 小さじ1 |
卵白 | 1個分 |
酒 | 適量 |
塩 | 適量 |
あん | |
だし汁 | 100ml |
酒・みりん | 大さじ各1 |
醤油 | 小さじ1 |
塩 | 少量 |
片栗粉 | 大さじ1/2 |
茹で海老 | 4〜5尾 |
ぎんなん* | 7個程度 |
枝豆* | 大さじ1程度 |
1. | 白身魚を適当な大きさに切り、酒と塩をふっておく。 |
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2. | 子鍋に片栗粉以外のあんの材料を入れて火にかけ、適当な大きさに切った海老、半分に切ったぎんなん、枝豆を入れる。火が通ったら水溶き片栗粉を入れ、とろみをつける。 |
3. | 1. の切り身を器に入れ、ラップをして電子レンジ(600~700W)で1分半ほど加熱する。 |
4. | かぶは皮を剥いてすりおろし、軽く水気を切る。(絞りすぎると口当たりが固くなるので注意)それに片栗粉、卵白を加えてよく混ぜ、塩を薄めに入れて味を調える。 |
5. | 3. の上に4. をかけ、ラップをして電子レンジ(450~500W)で2分。 |
6. | 最後に熱々のあんをかけて出来上がり。 |
*アジアン・ショップに行くと、ぎんなんは真空パックで、茹でた枝豆は豆だけの冷凍で売っています。ともに1~2ユーロくらい。 |
かぶの千枚漬
かぶ | 3個 |
塩 | 適量 |
甘酢 | |
水 | 180ml |
砂糖 | 大さじ3 |
酢 | 60cc |
昆布 | 3片 |
唐辛子 | 好みの量 |
1. | かぶは皮を剥いて2mmほどの薄切りにし、塩をふって重しを乗せ、半日おく。 |
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2. | 水を火にかけて砂糖を溶かし、汚れを取った昆布を入れてひと煮立ちさせる。冷ました後、酢を加えて細かいざるでこす。 |
3. | 絞った1. をざるに残った昆布、刻んだ唐辛子とともに②に漬け込む。最低でも1日は漬ける。 |