ミンデン (Minden)

ノルトライン=ヴェストファーレン州の北東、ヴェーザー川(Weser)とミッテルラント運河(Mittellandkanal)が市内で交差し、南方には中低山地を望む自然豊かな街。798年、フランク王国のカール大帝が「Minda(当時の街の名)」で集会を開いたことが街の起源とされ、大帝は800年頃、当地に司教区を設けています。現在の街の構成はプロイセンが設けたミンデン城砦に由来し、市を囲む城砦が当時の面影を留めています。

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ミンデン駅で降りたら、まずは東へ延びるカイザー通りを経て、ヴェーザー橋へ。橋の上から左に目を向けると、隣町ポルタ・ヴェストファーリカにある、小高い山の上に立つカイザー・ヴィルヘルム記念碑が見えてきます。右手の先に広がるのがミンデン市街です。
橋を渡ったら、旧市街散策の開始。まずは街のシンボル、ミンデン聖堂へと向かいます。8世紀末に建設が始まり、12世紀に完成したロマネスク様式の建築は、この地方の大聖堂に多い切妻屋根の玄関を備えています。その壮麗な佇まいもさることながら、興味深かったのは隣接する宝物館。ドイツ・ロマネスク最大の芸術品とされる11世紀のキリスト磔刑像やペテロの聖遺物箱などの“宝物”からは、司教区として信仰や威厳を重んじてきた街の歴史が感じられました。


ライオン薬局(Alte Löwenapotheke)
今はメガネ屋さんになっている
建物の左上に、名残りのライオン像
Am Marktplatz 8


木組みの博物館群(Museumszeile)
この向かいに建つのは、ヴェストファーレン地方最古の石造りの家「Alte Münze」
続いて重厚な柱が存在感を放つ市庁舎のアーケードを抜けると、「ライオン薬局」や「ハウス・シュミーディング」など、凝った装飾が美しい建物に囲まれたマルクト広場に出ます。その脇の階段を上がれば、いよいよ旧市街の目玉スポットである木組みの建築群に到達。ここは15世紀末に建てられ、17世紀頃には教会音楽家たちの住居として使われていたそう。現在は市立博物館(2012年12月まで改装閉館中)や人形博物館が入っています。よく見るとどれもかなり歪んで建っているのですが、それもまた手造りの趣、職人たちの粋ということで。

魚レストラン「Fischbäcker」
Obermarktstr.34
さて、時は正午を回り、ランチタイム。マルクト広場から横道に入ったところにある、創業90年という老舗の魚レストラン「Fischbäcker」で、今が旬のマティエス(若ニシンのマリネ)をいただきました。


聖ジメオ二ス教会(St. Simeonis)
シュテッペルさんの個展は7月24日(日)まで開催(火~土の11:00~17:00)
レストランを出てすぐの坂道の上に、小さな教会を発見。扉が開いていたのでそっと中に足を踏み入れると、椅子に腰掛けて読書をしていた年配の紳士が声を掛けてくれました。なんでも、翌日からここ「聖ジメオ二ス教会」では絵画の個展が開かれるとのこと。中を見ると、壁や柱に多数の絵が掛かっています。作者は、ぺトラ・シュテッペルさんというパーダーボルン出身の画家だそう。神聖な空間に散りばめられた絵画が、ステンドグラスと相まって、鮮やかな色のハーモニーを奏でていました。
文化探訪の後は、自然に癒されるべくヴェーザー川沿いを散歩します。途中、14世紀に造られたと伝えられるドイツ最古の川上の水車を復元した「船の製粉所(Schiffmühle)」や、ビアガーデンでくつろぐ人々、水上を行き交うカヌーなどをしばし観賞。こんなのどかな風景が延々と続いてきたのだろうかとはるか昔に思いを馳せていると、川縁の城砦からプロイセン時代のものという大砲が顔のぞかせ、険しい道も経てきたのだと、街の歴史の奥深さを伝えていました。
Düsseldorf Hbf 7:54発RE→Minden Bf 10:30着
1人片道36ユーロ
5人までのグループならNRW州のSchöner-Tag-Ticket(36ユーロ)か
Schönes-Wochenende-Ticket(39ユーロ)がおトク!
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