Ole von Beust 正式名:Carl-Friedrich Arp Ole Freiherr von Beust。1955年4月13日ハンブルク生まれ。弁護士。2001年からハンブルク市長。 写真 ©hamburg.de |
キリスト教民主同盟(CDU)ハンブルク市(州に相当)の3期目市長候補として2月24日の議会選挙に臨み、党に勝利をもたらした。しかし、政権安定に必要な絶対多数の議席数を獲得できなかったため、今回健闘した社会民主党(SPD)と大連立を組むか、それとも州レベルで初めて緑の党と連立するかで、大きな注目を集めている。
ハンブルクを率いて7年。1期目を誕生させた2001年から、マスコミを騒がせてきた。第1党SPDから得票率で10%もの差を付けられながら、“Law & Order”を旗印にのし上がった新右派「法治国家の攻勢党」と連立して政権を奪還。しかし副市長に据えた同党党首ロナルド・シル(元裁判官)が、連邦議会で外国人敵視のスピーチをしてしまう。
さらに03年8月、汚職疑惑で上院議員一人を辞職させると、それに抗議するシルから「ロジャー・クーシュ内務大臣との内縁関係をばらす」と脅しをかけられる展開に。終始否定したが、“友人”クーシュの告白によって、結局は自分も同性愛者であることを間接的に認めることになった。
現在は、このスキャンダルが起きて結果的に良かったと言っている。シルはその後、党問題で調査委員会から呼び出されてブラジルへ遁走(とんそう)。それを機に04年、州議会を解散して2期目CDU政権を樹立し、現在に至った。
名前のオーレは幼少時に北部方言で呼ばれた愛称に由来し、正式名には男爵位が付く。“庶民”と握手するときに見せる一瞬の躊躇は、その出自のせいだろうか。
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