Peer Steinbrück 1947年1月10日ハンブルク生まれ。連邦財務相。 SPD副党首。ボン在住。 ©Markus Schreiber/AP/PA Photos |
米国のサブプライムローン問題から始まった深刻な金融危機のために、ここ数カ月は休む暇もない。まずドイツ不動産金融2位ヒポ・レアル・エステートの破たんを回避させるべく、救済策を仲介。続けて公的資金を投入する金融機関救済法を成立させ、苦境に陥った州銀バイエルンLBや商銀コメルツバンクなどの経営建て直しを急がせた。
社会民主党(SPD)に入党したのは22歳の時。キール大学で国民経済学と社会学を学び、連邦SPDのシュミット政権下(1974-82)で国土省、運輸省、科学技術省、首相府を渡った。キリスト教民主同盟(CDU)に政権を奪われた後は、州のSPD政権でキャリアを積み、2002年にはノルトライン=ヴェストファーレン州の首相に就任。しかし大規模な補助金削減を提唱したことで、05年の州議会選挙では憂き目をみることになった。
それでも「補助金に群がるロビイストと闘うには、例外を残さず刈り取る芝刈り機メソッドしかない」とコメント。図太い神経を印象付けて、メルケル政権から入閣を請われることになった。
しかし党の首相候補として1度も名前が挙がらないのは、こうした鋭い舌鋒のゆえとも言われる。今回の金融危機でも、救済策を講じながら「責任は危機を招いた本人にある」とけん制。先頃は堪忍袋の緒が切れたのか、経営者たちを「金の亡者」とまで言い放った。これからはオペルなど自動車産業への救済にも追われる。当分休む暇はないだろう。
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