Tim Mälzer 1971年1月22日ハンブルク近郊エルムスホーン生まれ。コック。ライター。 ©DREYSSE |
プロの料理人として調理を披露するテレビ番組『Schmeckt nicht, gibt’s nicht(まずいのは無しさ)』を2003年からVOX局で担当し、ドイツのTVクッキング・ブームに火を点けた。素人の腕自慢、アマチュア対プロ、プロ総出演のショーなど、様々な料理番組が誕生し、「自分もその渦中で浮かれていた」。しかし06年にバーンアウト。「ドイツの食文化になんの変化ももたらさなかったブームは失敗だった」と自戒する。そしてこの4月18日、第1公共放送(ARD)から「調理をゆっくり見せる」25分番組シリーズをスタート。アイドルシェフのカムバックに大きな注目が集まっている。
アビトゥーアを取得し、兵役代替で病院のヘルパーの仕事をした後、コックの修行をした。両親は賛成してくれたが、学友の母親に話すと「馬鹿にされたので、ヤツの結婚式の料理を担当したときは請求書に少しばかり慰謝料を上乗せしたよ」と笑う。ハンブルクとロンドンで修行し、ロンドン時代には後の人気料理人ジェイミー・オリバーとも一緒に働いた。02年にシェフ仲間のクリスティアン・ゼンケルと共同で、ハンブルクにレストランDas Weiße Hausをオープン。07年に離れ、現在は自身のレストランBullereiの開店準備に追われる。
アンケート調査によると、ドイツでは40才以下の男女の40%が1度も調理をしたことがない。新シリーズの料理番組では「美しい料理を見せる」と言うが、それでドイツの台所が変わるか。それより基本を教える必要があると思うのだが……。
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