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バーシャ・ミカ

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バーシャ・ミカ Bascha Mika
1954年1月17日ポーランドのオポーレ県生まれ。「taz」紙編集長。ベルリン芸術大学名誉教授。
©Agentur Bildchör

ベルリンの「taz」といえば自由派知識人に好まれる日刊全国紙。その定期刊行30周年を迎えた4月17日に、FCバイエルン・ミュンヘンのユルゲン・クリンスマン監督から名誉毀損で訴えられ、同紙の編集長として取材される側に立っている。

訴訟の理由は、復活祭の月曜日に紙面を飾ったキリスト磔刑の風刺イラスト。前週8日に行われたUEFAチャンピオンズリーグの対バルセロナ戦で、同監督率いるバイエルンが0−4と完敗したことを受け、苦境に陥った監督の顔が十字架上のイエスに置き換えられていた。吹き出しの言葉は「Always Look on the Bright Side of Life」。陽光あふれる米ロサンゼルスでの暮らしを楽しむカトリック教徒の監督には、きつすぎるジョークだったようだ。

ドイツの全国メディアで唯一の女性編集長である。残留ドイツ人を親にポーランドで生まれ、5歳のときに西ドイツのアーヘンに移入してきた。アビトゥーアを取得後、3年間ドイチェ・バンクで働き、大学で哲学とドイツ文学を履修。1988年「taz」に入社し、99年からは編集長として批判報道を展開してきた。例えば06年には、双子で大統領と首相に就任したポーランドのカチンスキー兄弟をジャガイモ2個と並べ、「ポーランドの新ジャガ」と挑発。同兄弟から訴えられ、同国のメディアと戦端を開いたこともある。

今回のことでも「ジョークに対するクリンスマン氏の許容力を過大視していた」と語りはしても、動じる気配はない。ドイツの司法は果たしてどう出るだろうか。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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