Dr. Kristina Schröder 1977年8月3日ヴィースバーデン生まれ。CDUの政治家。第2期メルケル政権の家庭相。 ©Gero Breloer/AP/Press Association Images |
連邦政治の表舞台に彗星のごとく登場したのは昨年11月。第2期メルケル政権発足直後の改造で、家庭相に抜擢されたのだ。すると「現政治は男性支援をないがしろにしている」と批判。まず、シングルマザーの子どもたちに日常レベルで父性の存在が欠けているのは問題だとし、男性保育士を増やすプロジェクトを開始。10月には「ドイツ人敵視も人種差別の一種」と発言し、学校現場などで移民系が取る反ドイツ的言動に注意を促した。
そして先頃、姉妹党CSUが執行人事に女性の起用割当てを決めると、「割当てはどの分野においても降服でしかない」と反対を表明。さらにシモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』やドイツ女性解放運動家アリス・シュヴァルツァーの著書に反論し、「男女には生物的な違いがある」と主張したため、現在最も注目を集める政治家となっている。
可憐な外見から、初心な政治家を想像すると大間違い。16歳でCDU青年部に入り、党のキャリアを積んできている。連邦議会に初当選したのは25歳。平行して大学で政治学を修め、今年2月に内務省政務次官と結婚、Köhler姓を捨てて夫のSchröder姓を選択した。
この改姓がフェミニズムから批判の的に なっているのは知っている。が、弁明はせず、家庭相でありながら私生活も公開しない。ただし、料理が大好きで毎日キッチンに立つこと、ドイツ統一を成し遂げたヘルムート・コール元首相を尊敬していることは明かした。ベルリンの壁崩壊のシーンに興奮した12歳のときから、政治家になると決めていたのだ。
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