Marina Weisband 1987年10月4日ウクライナ国キエフ生まれ。ミュンスター在住。心理学専攻の大学生。海賊党の連邦幹事長。 Foto: Tobias M. Eckrich |
昨年9月のベルリン市州議会選挙で初の議会入りを果たした海賊党。予想外とも言える大躍進に、党員の大半を占めるデジタル世代の男性たちが呆然とする中、紅一点のさわやかな弁舌で党内をまとめてきた。しかし先頃、今年5月の幹部選には立候補しないと発表。これまでネオナチから脅迫メールを受け取っていたことも告白し、波紋を広げている。
ドイツが受け入れる人道的救済難民としてウクライナからヴッパータールへと移民してきたのは1994年。旧ソ圏で顕在するユダヤ人差別から逃れるためだった。ミュンスター大学で心理学を専攻し、2009年に海賊党に入党。早期のネット教育を求める活動と“党のカウンセラー”を自称する仲裁能力が買われ、昨年3月幹事長に就任した。
「修士の修了期限が2013年なので、学業と党役職の両立は難しいから」というのが幹事長降板の公式見解だが、「私が就任したとき、党は小さく無名だったので、現在の成功に気持ちが追い付きません」と本音も吐露。脅迫メールについては「拙い文章とスペルミスに笑えた」と語る。
しかし、ベルリン市州議会入り後、極右政党NPD(ドイツ国家民主党)の活動歴を持つ党員が複数存在する事実が判明したときは、「若い頃の過ちだ」と無害化したネルツ党首を批判。その党首本人がスター不在の党の今後を最も心配しているらしく、すでに彼女に復帰コールを始めている。中休みの予定は1年間。来年の連邦議会選挙を見据えてのことだろうか。
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