Daniela Schadt 1960年1月3日ハーナウ生まれ。ジャーナリスト。ガウク大統領のパートナー。 Foto: ©Michael Sohn/AP/Press Association Images |
パートナーであるヨアヒム・ガウク氏がドイツの新大統領に選ばれたとき、「20年以上も記事を書いてきてこうなるとは……」とつぶやいたそうだ。「今後は言うこと成すことすべてに象徴的な意味が発生してしまう」ので、影響力のあるメディアの仕事から身を引かざるをえなくなったことに対する無念が、そう言わせたのだろう。
ガウク氏との出会いは2000年。同氏は当時、旧東ドイツ国家公安局シュタージ(いわゆる秘密警察)が集めた情報を調査公開する政府受託機関の代表だった。彼女はニュルンベルク新聞の内政部チーフである。2人は住まいを別にする熟年カップルになったわけだ。
そのため今回ガウク氏がほぼ当確の大統領候補になると、「正式に結婚すべきだ」との声がカトリック系議員たちから飛び出したが、同氏には1991年から別居する妻がいて、そちらを先に解決しなければ再婚もない。しかし2人は動かなかった。
「儀礼のために離婚や結婚はしません」とガウク氏。彼女の方は「結婚というものに価値がないと考えるからではなく、長い間連れ添って4人の子どもをもうけた女性への敬意があるからです」と説明し、世論を納得させたようである。
ただし、ファーストレディーと呼ばれることにはかなりのためらいがあるらしく、自分からその表現を使うことはない。それでも先日、ベルリンの大統領公館に引っ越した。これから大統領の伴侶として、忙しい公務の日々が始まる。(Y.T.)
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