Andreas Gabalier 1984年11月21日オーストリアのグラーツ生まれ。 シンガーソングライター。 Foto: © Kai-Uwe Knoth/DPA/Press Association Images |
その年の優秀なミュージシャンに贈られるドイツのエコー賞。ポップ・カテゴリーの発表が3月に行われ、大衆民俗音楽の最優秀アーティストに選ばれた。
プロデビューしたのは2009年。民俗音楽の中心地オーストリアのオーディション番組で2位に残ったことがきっかけだった。ドイツでは昨年4月に出演した歌謡ショーから知られ始め、「I sing a Liad fia di」(Ichsinge ein Lied für dich=君に捧げる歌)でブレイク。次々にアルバムを発表してヒットチャート入りし、フォークミュージックのキングと呼ばれるようになった。
その1つ、「Amoi seg’ ma uns wieder」(Einmal sehen wir uns wieder=また会おうね) は、亡くなった父と妹に捧げた。父親が自宅で焼身自殺を遂げたのは5年前。その2年後に19歳の妹も同じ方法で命を絶った。「どうしてパパがあんなにむごい方法を選んだのか、未だに分からない。その悲しみから妹は立ち直れなかったんだ」と語る。
自分は、「あまりに辛くてどうしていいか分からないまま、ふとハーモニカを買って音楽を始めたら、なんとか立ち直ることができた。天国へは高齢になってから行くつもり」。今は祖母と母と兄弟3人、寄り添って生きている。墓地へと続く道端に座って遠くを眺め、2人を思い出していると、勇気がわいてくるそうだ。
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