1961年10月7日西ベルリン生まれ。ベルリン在住。俳優。
©BR/Martina Bogdahn
公共放送ARDの「Deutschland, deine Künstler」は、音楽・文学・演劇・映画・美術の分野で活躍するドイツ人芸術家をポートレートするドキュメンタリーシリーズ。その7月25日放送に登場し、半生を語った。
1985年から舞台に立ち続け、ここ10年はテレビドラマへの出演で知名度を上げたが、実は「子どもの頃からすでに有名だったけれど、その後しばらくは無名となり、今また注目されているよね」と笑う。
父は故ヴィリー・ブラント。東西冷戦下で西ベルリンを率い、さらに西ドイツ外相、首相として歴史に名を刻んだ政治家である。その三男に生まれ、常にマスコミとガードマンと政治家に囲まれた子ども時代を送ってきたが、「特に煩わしいとは思わなかった」し、後に"スピーチレス"と表現した父との関係についても「彼は英才にありがちな難しいタイプだったということ」と客観視する。こうした適応力と距離感が、現在の職業へと向かわせたのかもしれない。
ブラント政権最後の日々を描いたTV映画「Im Schatten der Macht(権力の影)」で、父の失脚の原因を作った旧東独スパイ、ギュンター・ギヨーム役を演じたのは2003年。2年前から演じる警察シリーズのハンス・フォン・モイフェルス刑事役では、バンビ賞を受賞した。ヒッチコックの「サイコ」や村上春樹の「1Q84」を取り上げた朗読会でも人気を集めている。
毎日50キロほど市内をサイクリングするのは、「人間ウォッチングが楽しいから」。根っからの演技人のようだ。
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