1956年3月6日、旧東ドイツのツヴィッカウ(現ザクセン州)生まれ。3歳からバイエルン州フュルトで育つ。玩具メーカーSimba-Dickieグループの社長。
©Daniel Karmann/DPA/Press Association Images
2009年2月に破産を申請した鉄道模型の老舗メルクリン。今年3月21日にその信託管財人と並んで記者会見に臨み、買収を決意したと発表。“おもちゃ業界のドリームウェディング”と報道され、関係者と世界のメルクリンファンを感激させている。
実は話が出てから2年間悩んでいたという。おもちゃとの関わりは、父フリッツが敗戦直後に人形製造を始めた旧東ドイツのツヴィッカウにまで遡る。中世から木製おもちゃの生産で知られるエルツ山地の町の1つだ。しかし、当局とのいざこざから一家は1959年に西ドイツのおもちゃの町ニュルンベルクに隣接するフュルトへと移り、玩具の輸入販売を経て82年、親子で新しい玩具メーカーSimba Toysをスタート。やがて約30カ国で従業員4000人を抱え、年間6億ユーロを売り上げる玩具製造の最大手へと成長した。
93年にDickie Toysを吸収して現在のSimba-Dickieグループとなり、以後ミニカーのSchuco、積み木の老舗HEROS、木製おもちゃのEichhorn、フランスの遊具ブランドSmoby、ボビーカーのBIG、日本のプラモデルTAMIYAなどを次々に傘下にしていく過程で、父に何度も止められたが「玩具に魅せられるとやめられなくなって……」とのこと。
しかし、メルクリンは年商1億ユーロ、従業員1000人の大企業。これまでとは違うとの警告には「余興で買ったのではない。鉄道模型の伝統に新しいモデルを打ち出してみたい」ときっぱり。世界中が期待するハッピーエンドに応えられるだろうか。
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