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ニコ・ホフマン

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ニコ・ホフマンNico Hofmann
1959年12月4日ハイデルベルク生まれ、
マンハイム育ち、ベルリン在住。
映画監督・プロデューサー。
「Der Tunnel」「Mogadischu」など多数。
©ARD Degeto/Marko Greitschus

ナチス、災害、RAF(ドイツ赤軍)、誘拐事件など、ドイツ人の記憶に刻まれたテーマをテレビドラマ化し、常に高い視聴率を上げてきた。3月17、18、20日に公共放送ZDFで放送された3部作『Unsere Mütter, unsere Väter(我々の母たち、我々の父たち)』でも700万人以上の視聴者数を記録。早速トークショーやメディアも取り上げる展開になった。

ドラマはベルリンに住んでいた若い幼なじみ5人の戦争体験を追う。1941年夏にヴィルヘルムとフリードヘルムの兄弟は東部戦線へと徴兵され、シャルロッテは野戦病院の看護師に志願、歌手を目指すグレタはユダヤ人ヴィクトルを逃がすためにゲシュタポと関係し、ヴィクトルは収容所へ向かう列車の底から逃げ出してパルチザングループに合流する。

5人は数々のドラマチックな場面で偶然出会うため、「出来過ぎ」「情的でキッチュ」との批判が出ると、「エモーションを描いたのだから当然」と反論。ドレスデン空襲を描いた『Dresden』、東欧からのドイツ人追放を描いた『Die Flucht』などにも共通する作風だ。

ナチス第3帝国を描くのはこのドラマで最後にすると3年前に言っていたが、放送が終わるやヒトラー・ドラマの制作を予告したのは、「ヒトラーとナチスを見せ物として扱う最近の風潮、例えばタランティーノ作品などは受け入れがたく」、かつ「ウソで固めた男が一国を崩壊させ得た背景とドイツ人の不安神経症は描ける」と考え直したから。戦中世代の父は今回初めて息子の作品を鑑賞し、「この通りだった」と述べた。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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