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ゲッツ・ゲオルゲ

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Götz GeorgeGötz George
1938年7月23日ベルリン生まれ。俳優。
©WDR

12歳で初舞台を踏んで以来、200本以上の演劇、映画、テレビドラマに出演。TVシリーズ「Tatort(事件現場)」で81年から演じるデュイスブルク署のホルスト・シマンスキーはファンから最も愛される警部キャラクターとなり、「Der Totmacher(Deathmaker)」(1995年)のシリアルキラー役では性格俳優の名を欲しいままにした。父は名優ハインリヒ・ゲオルゲ。先頃、その生涯を追ったドキュメンタリー・ドラマ「George」で主人公として実父役を演じ、注目を集めている。

ハインリヒ・ゲオルゲは、ワイマール時代の花形役者だった。ナチス政権下では「ヒトラー青年」「最後の一兵まで」「故郷」などの国策映画に出演。敗戦直後にソ連秘密警察に逮捕され、収監先で衰弱死している。

その役を次男の自分が演じることは「僭越ではないのかとひどく悩んだ」が、「前世紀の偉大な役者ではあっても、演じることではほかの役柄と変わりないと自答した」。父がハリウッドからのスカウトを断ってドイツに留まったのは、「シラーやゲーテを誰よりも上手く表現できる役者の居場所は、ここだったからだろう」。ナチス宣伝相ゲッベルスの推薦でシラー劇場の総監督に就任後、ユダヤ系や共産主義の役者を起用し続けたという。

「George」は今月22日にArte、24日にARDで放映され、折よく23日に75歳の誕生日を迎える。「シマンスキー警部」の新作はすでに撮影を終え、来年初頭の放映を待つばかり。「映画でもう75回は死んでいるから、いつか本当の死が訪れることを考えなくなってしまった」と苦笑する。

 

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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