1982年4月5日ミュンヘン生まれ。
ドイツ代表を務めた元プロ・サッカー選手。
©Nigel French/EMPICS Sport
現役引退から4カ月後の今年1月9日、週刊ツァイト紙上で「プロアスリートにおける同性愛について議論を進めてほしい」とカミングアウト。サッカー・ドイツ代表経験のある元選手が初めて、同性愛者であることを自ら告白したことで、ニュースやトークショーでも大きく取り上げられる展開となった。
バイエルン・ミュンヘンの下部組織から2000年に英プレミアリーグのアストン・ヴィラに加入。05年からシュトゥットガルト、10年からラツィオ・ローム(伊)、ウェスト・ハム(英)、ヴォルフスブルクで実績を積み、12/13年シーズンの英エヴァートンを最後に、けがのため現役から退いた。シュトゥットガルトでは06/07年シーズンのリーグ優勝に貢献し、ドイツ代表としては06年のワールドカップ、08年の欧州選手権(ユーロ)で大活躍。A代表のキャップ数は52試合に上った。
カミングアウトは、「長くて困難なプロセスだった」。かつてはガールフレンドと8年間同棲し、07年7月に結婚を予定しながら破局。「男性に惹かれても、それが本心か分からず、はっきり自覚したのは3年前。両親と兄弟姉妹には2年前に明かし、理解してもらえた」。今のタイミングで告白したのは「機が熟したから」。「サッカー界で同性愛はタブー視されているので、議論してほしい」と言う。
現役時代から外国人差別・反ユダヤ主義・極右に反対する活動を支援し、南アフリカ共和国のHIV陽性児童を助けるプロジェクトに携わるなど、社会活動が高く評価されてきた。09年からはツァイト紙でスポーツコラムを担当。温かい支援の声が届いている。
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