1974年12月8日テヘラン生まれ。イラン人。ホッフェンハイム育ち。TVジャーナリスト。
©WDR/Herby Sachs
公共放送ARDのカイロ特派員として2004年からレバノン・イスラエル戦争、スーダンのダルフール紛争、アラブ各国の民主化運動について報道し、13年からは系列局WDRのモスクワ特派員としてウクライナ問題を伝えている。去る10月22日、その「抑制された冷静な報道」に対し、優れたTVジャーナリストに贈られるハンス・ヨアヒム・フリードリヒ賞が授与された。
1979年、5歳のとき両親に連れられてテヘランから西ドイツへと亡命してきた。エンジニアの父は外国と関わりがあり、国営オイル企業に勤務する母は女性のヒジャブ着用義務に反対を表明。ともにイスラム革命では攻撃の対象になった。国を脱出するとき、母から「髪を隠さないと学校へ行けなくなるから」と説明されたという。
ハイデルベルク大学で政治学とイラン学を修め、ユネスコに職を得るも外交は自分に向かないと悟り、02年にボランティアで公共放送に入局。6カ国語を話す能力、イスラム文化の知識、冷静な政情分析とソフトなボイスが評価され、04年以後、短期の国内勤務を挟んでアラブ世界、インド、イラン、現在のウクライナと、主に紛争地域から鬼気迫る実況報道をしている。
「異邦人ボーナスが出ている」との嫉妬の声には、「私は実力でこの仕事を得たのだし、威圧感のない小柄な女性だから取材で本音を引き出せるメリットがある」と反論。現地の言葉が分かれば、女性ジャーナリストには男性よりチャンスがあることをドイツの男性はそろそろ理解すべきと、やんわり語る。
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