Andrea Ypsilanti 1957年4月8日ヘッセン州リュッセルハイム生まれ。SPDヘッセンの党代表、州議員会派長、州首相候補の3役を兼任する。 写真 ©SPD Hessen |
先月27日、社会民主党(SPD)のヘッセン州首相候補として州議会選挙に臨み、前回を7.6ポイントも上回る支持率を獲得。僅差で第1党の座をキリスト教民主同盟(CDU)に譲ったものの議席数で並び、楽勝を予想したコッホ州首相の自信を粉々に打ち砕いた。
「労働階級の出身です」と誇らしげに言う。父はオペル工場の労働者だった。この環境では珍しくギムナジウムへ進み、アビトゥアを取得してルフトハンザに就職。客室乗務員として働き、フランクフルト大学社会学部に入学したときは35歳になっていた。
その間にSPDに入党し、ギリシャ人と結婚してイプシランティ姓を選択。この苗字で知名度を得たため、離婚しても旧姓には戻さなかった。現在はパートナーと家庭を築き、一人息子を育てている。
州議会入りしたのは1999年。2003年、シュレーダー連邦政権が始めた社会構造改革の「失業給付金短縮」に反対して党中央部の怒りを買い、05年には大量解雇を予告したドイチェ・バンクへのボイコットを呼びかけて、煙たい存在に。そしてCDUからの州政権奪回が可能になったいまは、最も注目される女性政治家の道を突き進んでいる。
しかしパズルのような連立交渉で、実際は八方ふさがりの状況だという。コッホ首相を温存するCDUとの大連立に興味はなく、左派党との連立は拒否。自由民主党(FDP)と緑の党との連立を望んでも、FDPはCDUとしか組みたがらない。睡眠不足はまだ続きそうである。
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