医師・専門家に聞きました!
ドイツで受診する際や
健康に暮らすためのヒント
小児科 Kinderheilkunde
変化に敏感な子どもたちが、健やかに生活できるサポートに努めている小児科。ドイツと日本で異なる環境下で気を付けるべきポイントがいくつかあります。まず、ドイツは日本に比べて空気が乾燥して硬水なので、渡航してきた際に喘息やアトピーなどのアレルギー疾患がある、または肌の乾燥が気になる場合に症状を悪化させないための対処が必要になります。子どもが小さい頃は皮ふの油分を落としすぎないようにするため、お風呂に入れる回数を週2~3回程度に減らしたり、家の中に 新鮮な空気を取り込むための定期的な換気を行いましょう。
保育園や幼稚園に入ると、友だちと触れ合う機会が増えるため、風邪や病気をうつしたり・うつされながら徐々に抗体を付けていきます。年齢によってかかりやすい病気もあり、新生児は冬場の気管支炎や咳・鼻水の病気、保育園や幼稚園生なら溶連菌感染症、しょうこう熱、手足口病などの症状が多くみられます。小学校に上がるとインフルエンザやウイルス性の胃腸炎に注意が必要ですが、病気にかかる回数は減ってくる傾向。子どもが体調不良のため病院で受診した後、特に問題がなかったり熱が下がったからといってすぐに学校に通わせるのではなく、できれば回復するまで少しの期間、家で休ませるとぶり返えすことが減ります。また、冬場に暖房の温度を高く設定している家庭は、免疫力を高めるためにも少し設定温度を下げるようにしてください。
ドイツと日本では3~4年前から予防接種の種類が同様になりつつあります。ドイツに引っ越してくる際に母子手帳を病院に持って行き、足りないものを調べて接種します。日本人医師や通訳がいない地域に赴く場合は、日本でお世話になっていた小児科の先生に今までに接種したものが分かるような資料を英語で作成してもらってから渡航すると、ドイツで新たに小児科にかかる際にもスムーズです。
病院に行くべきか迷った時の目安としては、1歳までは異変を感じたらすぐに病院に行きましょう。2~5歳くらいであれば2~3日様子を見ても大丈夫です。ただし、下痢や嘔吐、ひどい咳、高熱の場合、脱水症状になる恐れがある場合は、早急に受診することをおすすめします。薬に関しても解熱剤や風邪薬、鼻の点鼻薬以外は受診をし、医師の判断を仰ぐのが一番です。
point
- 10歳くらいまでは小児科の受診がおすすめ
- 日本人医師や通訳がいない都市へ赴く際には、英訳をした予防接種記録を持参するとスムーズに
- 下痢や嘔吐、ひどい咳、高熱、脱水症状を伴う場合は早急に受診を
お話を聞いた医師
アーズム・ヒラー先生 エッセンやハンブルク、オランダでの勤務を経て2005年に「アーズム・ヒラー小児科医院」を開院。小児・青少年を対象に、本来の医学療法からハーブ療法、ホメオパシー療法などの自然治癒療法も行っており、特にアレルギー関係の治療に力を入れている。「日本人も安心してドイツに暮らせるように」と、同医院には現在5名の通訳スタッフが在中。
Kinderärztliche Privatpraxis Arzum Hiller
(アーズム・ヒラー小児科医院)
Niederkasseler Str. 55, 40547 Düsseldorf
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