海外で安心に暮らすために ドイツの病院・医療ガイド


在独日本人医師に聞きました! ドイツで受診する際や
健康に暮らすためのヒント

いくら自分は健康……と思っていても、ドイツ生活ならではの体調不良やトラブルに見舞われることは少なくありません。なかには、事前に知っておくことで予防できることも。引き続き、ドイツで診療する内科、歯科、産婦人科の日本人医師の方々に、ドイツで受診する際に気を付けるべきこと、健康に暮らすためのヒントを教えていただきました。

歯科 Zahnheilkunde

歯科

ドイツは保険診療と自由診療の「混合診療」

ドイツの歯科医療制度は、保険診療では足りない分を自由診療で賄う「混合診療」が基本です。保険診療費はドイツ全国一律ですが、そこに加算される自由診療費はその医療機関の裁量(技術や地域性など)に左右されます。なお、日本では保険診療と自由診療は完全に別々に行われています。

自由診療では見積書あり

基本的に自由診療については見積書が発行されます。ドイツでは、自由診療において治療内容や使用される材料、またそれぞれの項目についての価格を医療法の指針に沿って、見積書に明確に表記することが義務付けられています。ドイツの歯科クリニックで自由診療を受けると、見積書にサインを求められるため、特に初めて治療を受ける方は驚くかもしれません。

保険カバーは痛みや生活に不都合がある場合

ドイツでは、痛みがあったり、生活する上で何か不都合があったりする場合は、公的保険であってもカバーされます。例えば、詰め物が取れてしまった場合、歯に穴が空いている状態となり、食事に支障を来すため、その応急処置として保険治療を行うという考え方です。ほかにも、検診、親知らずの抜歯などにも保険が適用されます。プライベート保険の場合は、契約内容を確認してみましょう。

年2回の検診とクリーニングを!

定期的な口腔内検診とクリーニングを行うことが、歯科疾患を予防する最善の方法。どんなに丁寧に磨いていても取りきれないようなプラーク(歯垢)や歯石は、プロの手で除去してもらう必要があります。そのため検診とクリーニングは、それぞれ年2回受けることが理想的です。またクリーニングの際は、歯科衛生士が歯の磨き方などについても指導してくれます。

詰め物やクラウンが外れたら

ドイツに住む日本人が歯科クリニックに来る一番の理由は、詰め物(Zahnfüllung)やインレー、クラウン(Jacketkrone)の離脱です。離脱した際に、表に出た歯がきれいな場合は、外れたインレーやクラウンをクリニックに持っていくと、そのまま接着してくれます。ただし、インレーやクラウンが隣の歯と接触している場合は、外れてからすぐに診察を受ける必要があります。インレーやクラウンで隠れていた部分が虫歯になっていることもあるため、外れたら速やかにクリニックに行きましょう。

18歳未満は矯正治療も保険適用

ドイツでは18歳の誕生日前日までに矯正治療(Kieferorthopädie)をスタートできれば、保険が適用されますが、全ての人でカバーされるわけではありません。KIGといわれる歯科矯正用の不正咬合(悪いかみ合わせ)の判断基準があり、それによって保険が適用される仕組みです(カテゴリによって基準が異なる)。ただし、保険の金額だけでは全ての治療費を賄えないため、足が出た分を自費で払う混合診療が一般的になっています。

お話を聞いた医師・監修

宮川順充先生 1995年に歯科医師の資格を取得した後、2003~2007年までオーストリアのウィーンで勤務。2009年よりシュトゥットガルトのランドハウス歯科医院に勤務、2014年に同医院の共同経営者となる。日本人と欧州人の特徴を考慮した治療を行っている。 www.landhausstrasse.com

最終更新 Montag, 14 April 2025 14:21  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


Nippon Express ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作