ボンに拠点を置くドイツ音楽情報センター(miz)が独自に調査したところによると、ドイツのオーケストラはいまだに男性の演奏者が多く、女性でオーケストラのトップの地位に就いている人は少ないという。
ただここ数十年、女性演奏者の正規団員は着実に増えており、オーケストラにまつわる調査「Am Pult der Zeit!?」によると、ドイツの公的資金で運営されている129のオーケストラの団員は、10人のうち平均4人が女性。しかし、コンサートマスターやソリストなど、演奏家としての地位が高くなるほど女性音楽家の割合は低下し、28.4%しかいない。
ザールブリュッケン州立管弦楽団の女性代表クリスティーネ・クリスティアヌス氏によると、いわゆる「プロの音楽家」とは伝統的に男性の職業であり、40年前には女性音楽家は例外的な存在だったという。そのため1982年にヴァイオリニストのマデレーヌ・カルッツォ氏が女性として初めてベルリン・フィルハーモニーに入団した時には、一大センセーションを巻き起こした。
クリスティアヌス氏はさらに、プロの女性演奏家が少ない理由について、キャリアと家庭を両立させることが難しいためであるとも指摘。事実、女性のオーケストラ演奏者で子どもがいる人の3分の2は、パートタイムで働いているという。
15 Nov. 2024 1230号
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