ドイツ人は他国に比べて、昔から挨拶として握手をする頻度が高い。しかしワーキンググループマナーズインターナショナル(AUI)の調査によると、「コロナ禍が終わった後も、握手ではなくほかの挨拶をしたい」と考えている人が62%もいることが分かった。その割合は、女性では70%にも上る。
現在はコロナ禍の影響で、握手は控えるように呼びかけられているが、実はコロナ禍以前にも、握手に対する嫌悪感は一部で高まっていたという。その一方で、人とのコミュニケーションには握手が欠かせないと考えている人も。子どもの頃から身についた習慣であるため、握手をしないと無愛想だと感じたり、育ちが悪いと感じてしまったりするのだという。
もちろん握手以外にも、身体が触れ合わずに礼儀正しい挨拶をするための方法は豊富にある。例えば、目を合わせて微笑むことや、手を挙げて挨拶するなどは、ドイツでもよく使われている挨拶の形だ。また手のひらを上にして両方の腕を前に伸ばすことで「ようこそ」の合図になることも。心臓に手を当て、頭を軽く下げてうなずくジェスチャーも、表現力のある挨拶として効果的だという。コロナ禍が収束した時に、ドイツの挨拶の慣習はどのように変化するのだろうか……?
15 Nov. 2024 1230号
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