ドイツ連邦裁判所(BGH)は、隣家からはみ出した木の枝に迷惑している場合、その木が枯れるリスクがあっても切断しても良いという判決を出した。
この裁判では、樹齢40年のクロマツの枝が数メートルにわたって隣家に突き出ていたため、隣人が許可なくそれを剪定したとして、所有者が隣人を訴えていた。一方で隣人は20年前から落ちてくる実や葉に悩まされており、松の木の所有者に剪定を依頼したが、一向に改善する気配がなく、とうとう剪定したという。所有者はパンコウ=ヴァイセンゼー地方裁判所とベルリン地方裁判所で勝利を収めていたが、BGHはこの控訴審判決を覆した。
ただし、判事は侵入してきた木が樹木保護法などで保護されている場合は、単純に切ることはできないという制限を設けた。ベルリンの樹木保護条例では、高さ1.3メートル、幹の周囲が80センチ以上の森の松を全て保護しているが、クロマツについて言及されていない。また、裁判で争われている木が保護が必要な大きさ以上かどうかは裁判では証明できず、ベルリン地方裁判所に差し戻した。
15 Nov. 2024 1230号
寒い季節を温かく彩る
ドイツのクリスマス飾り