ナチスの軍服を着て行進する若者たち。よく見ると、腕には鉤十字ではなく黒いリンゴの腕章が。そして、「ドイツの若者に力を与えるものは? リンゴジュース!」と声を張り上げている。実はこれ、ネオナチのパロディーなのだ。考案者はライプツィヒのアーティスト、アルフ・トゥーム氏。彼の主張に賛同した若者たちが、「ドイツ・リンゴ戦線」と名乗って風変わりな反ナチ活動を展開している。シンボルのリンゴは、アプフェル(Apfel)という名のNPD の政治家を皮肉ったもの。真面目に反ナチを訴えても、大声で叫び返されるだけ。だったら、彼らの嫌いなユーモアで肩透かしを食らわせようというのが活動のコンセプトだ。もちろん、風刺も度が過ぎれば人々の視線は冷たくなるので、ジョークのさじ加減もちゃんとわきまえているのだとか。
15 Nov. 2024 1230号
寒い季節を温かく彩る
ドイツのクリスマス飾り